今回の研修はとりあえずベネチアから始めることにしました。

ここ3年ほどザーレム工房だけでの研修をしていましたので、
他の国を訪れるのは久しぶりです。
行ったことのないところを訪れるので、少し緊張です。

以前は、着いた空港で宿を探していましたが、
今はネットで予約が取れるのでとても便利です。

出発間際の成田空港でなんとか宿を取り、一安心です。
宿さえ取れれば、あとはそこに向かうだけなので、
ほとんど心配はありません。(トラブルが発生しない限り)

ロンドンのヒースロー空港で乗り換え、
遅れた乗り継ぎ便に乗ってベネチアの空港についたのは
夜の11時ごろでした。

降り立つ時に窓越しに見たベネチアは

とても小さい小島に見えました。

「これだけ?」

途中、地図で学習していたので、

ベネチアの大体の形が分かりました。

空港からホテルに行くのに何を使えばいいか、
隣に座っている人に聞いたら、

「船がいい。」と言われました。

空港について、案内所に行き、
地図に船の着場所とホテルの場所を書き込んでもらい、
船の券売所で切符を買い、待つこと30分。

 

やってきたのは、ほんの小さな舟です。
それでも、バスの乗客ぐらいの人たちを乗せ、夜の地中海を出発です。

海の中に、航行用の杭が打ってあり、その中をひたすら進みます。

 

30分以上経って、初めの停留所(?)に到着。

ところが、地図で確認してみても、どうもさっぱりわかりません。

船の船長さんが大声で船着き場の名前を叫びます。

なんといっているかあまりわからず、停留所の名前を探します。
どうも自分の降りるところではなさそうだ、ということはわかります。

一応、船長さんと車掌さん(?)には、この船は…という所に停まるのか?
と訊いて、アピールしてますが、
違ったところで降りてしまうとどうしようもありません。

船は夜の海を、何ヵ所も停まりながら、人がどんどん降りていきます。

私が、何度も「ここは…か?」ときくので、
船長さんは「それはあと三つ目だ。」と教えてくれました。

船からは夜の明かりの中でベネチアの街の岸が見えます。
海との境はすべて石かコンクリートのようになっています。

海面との差はわずか50cmほど。
50cm??
今は満ち潮?引き潮?

引き潮だとすると、大変です。
満ちてくると地面を超えて海水がやって来ます。

後で知ることになるのですが、
なんとここベネチアでは潮の満ち引きがほとんどないそうです。

そんなところが、世界にあったのだ。
行くまで、考えたこともないことでした。
カルチャーショックです。

やっと降りました。

寒いので、スーツケースの中からコートを取り出します。

そこに、ビニールに入った大きなパンが置き去りに…

24時間の間に飛行機での2回の食事しかとっていません。

とてもお腹が空いていました。
しばらく悩んだ挙句、

神様のお恵みか小人さんからのプレゼントだ

ということでいただいてしました。

パンを忘れた方、ごめんなさい。

そして、お恵みありがとうございます。

船を降りて歩きますが、さっぱりわかりません。

降りて200mほどだということでしたが、地図はわからず、
おまけに暗いので何の通りかさっぱりわかりません。

途中、英語を話す2人の女性と出会い、どこへ行くのかと聞かれたので、
ホテル名と住所を教えると、知っているような、知らないような、
そんな返事です。

そして「こっちだ、ついておいで。」という方についていきます。
途中でほかのホテルを見つけたので、
泊まるホテルの名前を言って場所を聞きます。
「確か、あそこじゃないか。」と言ってくれたところは閉まっていて、
入れそうにもありません。

呆れながら、そこに行くと建物の横に1mほどの隙間があります。

そこを進んでいくと、ドアがあります。

とにかく、訊いてみようと入ると、なんとそこが目的のホテルでした。

ホテルの人はさらに先程聞いたホテルのさらに先に案内してくれて、
「ここが泊まるところだ。」と鍵を渡してくれました。

時間を確認すると1時をとうに過ぎています。
やっと眠りにつくことが出来ました。

そのまえに、お恵みのパンをいただいてから。

2018.04.06 井手芳弘