318 再び飛行機から
普段、あまり飛ばない時間に飛行機に乗りました。

17時40分福岡発、東京行き。

ドイツの旅から時空を超えてやってきました。

まだ梅雨だというのに、連日30度を超える暑さの中、残した仕事を振り払うようにして…

今回はカメラを忘れずに持ってきました。

前日に予約したのに、なんと幸運にも窓際の席が一つ空いていました。

結局、ギリギリに空港にたどり着き、バタバタとお土産を買い、飛行機に乗り込みました。

*  *

これまで、飛行機の旅で、たくさんの発見と体験をしたな~

最初のころは、目を凝らすように見ていた飛行機の旅も、いつしか、いろんな体験に慣れてしまってました。

「もう、たくさんの現象を見てしまった。新たな現象は起きないだろう。」

始まりは、いつもこんな感じです。

いつもとは違う方向に飛び出した飛行機は玄界灘の上を駆け上がっていきます。

あたりは夏の空、入道雲になりかけの雲たちがビルディングのようにそびえ立ち、その間を飛行機はすり抜けていきます。

これはこれですごい迫力。

遊園地のアトラクションでは味わえない体験です。

「空の高いところを駆け抜けていく事って、普通じゃありえないことなんだよね。」

そう思いながら、そびえたつ雲の端を写真に撮ります。

「雲を白い石膏像だと考えると、光の当たっている端のところが白くなるはずなんだけど、

そうじゃないんだよね。外側が暗めで、中が明るいんだよね。」

ぶつぶつ言いながら

「一応写真とっとこ」

パシャリ

ふと、雲に立ち現れる鮮やかな虹の断片

こういうところに現れることを期待していなかったためか、

そもそも、普通の虹と違うものなのか、分からないまま写真を撮ります。

経験上、このような現象は一瞬の出来事です。

途端に緊張感が走ります。

パシャリ

「フウ~」

なんとか取り終えて安堵~~

あの美しさは何だったんだろう?

そう思いながら今度は、その上に浮かぶ巨大な船のような雲に驚きます。

「一体、今どれくらいの高度を飛んでいるのだろう?」

かなり上がっているはずなのに、まだ上に雲が重なっている。

と眺めていると、雲の上のところに虹が!

パシャリ

「うん、これは現実現象だよな。いや間違った、幻日現象だ」

「さっきの虹の現象とは違うものだ。」

そう自分に言い聞かせながら、

「それにしても、飛行機から幻日現象を見るのは初めてのような気がするな。」

「それも、唐突に黒い雲の端に出るなんて…」

幻日現象を数多く観察し、経験を積んでいるスペシャリストの私でさえ(かなりの自慢)、初めて体験する現れ方です。

そういえば、今日の雲は不思議な構造です。下からは入道雲になりそうな雲が立ち上がりその上にはレンズのような雲が重なっています。

このレンズのような雲が曲者です。

私はこの雲を竜雲と呼んでいて、明るく輝いたり暗くなったり、虹色に輝いたりする雲です。

出―たー!

薄い雲の一つが真珠やアワビの貝殻の内側のように輝いています。

レンズのような雲が、虹色に輝いては通り過ぎていきます。

まあ、彩雲観察家を自任する私にとってはこれくらいは当たり前の範疇です。

すると、手前にシルクの布のような薄いほとんど透けている雲が流れてきます。

「綺麗だな。」「まるで、天使の羽衣か、オイリュトミーのシュライア(オイリュトミーを舞う人が服の上につけている薄い布)のようだ。」

そう思いながら眺めていると、

その薄い雲の絨毯が、虹色に色づいていくではありませんか!

す、す、すごすぎる!

その情景はこの世のものではありません。

すでに過剰サービスに入っています。