風も強そうで、
寒そうで、
出るのがおっくうな朝、
頑張って海辺を散歩しました。

「どうせ、何にもないとは思うけど、ま、出かけてみるか!」
いつも始まりはこんな感じです。
「ふう」
「やっぱりかぜがつよくてさむいわ」
(どこの言葉?)
浜辺には誰もいません。
とりあえず、左の岩の方へ歩きます。
砂浜にワイパーで付けたような跡があります。
砂に埋もれた海藻が風と遊んで付けたようです。

岩場の崖を見ると、いろんな石が埋まっています。
どこかの展覧会で見た作品のようです。

「<太古の記憶>というタイトルにしようかな。」

今度は戻って反対側に向かいます。
砂の上に小石が盛り上っています。
お日様の光で、小さな影が可愛く沢山できています。
波が小石の周りの砂をさらっていったのでしょう。

「えっ!?」「どこかで見た風景!!」

「チョークで砂浜をえがいていた風景にそっくり!」
「こ、これはデジャブと呼ぶべきものだろうか?」
「それとも、修行のたまもので、予知能力がついたのか?」
下の砂に目をやると不思議に輝いている場所があります。

よく見てみると砂がきれいに並んで模様を作っています。

横の段ができたところもきれいです。

海の波が来たところだけ、模様が取れています。

その境目をよく見ると…
「おっとー!」
「不思議な模様が…!」

なんともユーモラスです。

気になって他を探すと…
こちらはなんとリングと穴ぼこです。

波さん、人知れず楽しんでおられる様子…
海の方を眺めると、
波が引いた砂に直線が交差した模様ができています。

「波さん、引きながらこんな技?!」
「にくいね!」
おっと、ここはいい感じで取り残されている。

こちらは、部分部分で模様ができていて素敵です。

この黒いぶつぶつは何?
よく見ると、なんと海藻が埋もれて、
丸い実のような浮のようなものだけ頭をのぞかせています。
「…!」

「まさか、こんな沢山の発見があるとは…」
「やっぱり出かけてみないと分からないよね。」

お日様と、風と波に感謝しながら戻りました。
「うーさぶー!」
「こんなに歩くなら、もっと着ておけばよかった。」
2025/12/19 井手芳弘
