梅雨が明けたと思ったら突然暑くなりました。
梅雨がずっと続いた日の朝、
ある懐かしい感覚を持って、周りの景色を見渡しました。
光は何とも言えない、夏の匂いを醸し出していました。

それは梅雨明けの始まりでした。
いよいよ ライア大会が間近になりました。
私は大会より一足先に日本を出発し、ザーレムライア工房へ向かいます。
ザーレムでは、ペロルライア用の材料を選択してきます。
また、フォルカーさんのタムタムを引き取ってくる予定です。
これまで、スイスやドイツへはほとんど冬から初春にしか訪れていないので、
夏の風景が楽しみです。

そういえば、初めての海外旅行は夏でした。
それも、今回のようにボーデン湖畔とドルナッハを訪れました。
40年以上前のことです。
その時にユーバーリンゲンのシュタイナー学校を見学し、
偶然にもニーダー氏に遭遇していたようです。
それから、気が付くと何度も、(いやほとんどここしか行っていません)訪れる場所になっています。

これまで、ペロルライアについてお付き合いいただきありがとうございました。
私が思っていることを頑張って書いてみました。
次回は、ドルナッハでのライア100周年大会の報告をしたいと思います。
ライアとの付き合いが長くなりましたが、
今回は、そんな中で、皆さんからよく聞かれるライアの質問について書いてみたいと思います。

一番多いお問い合わせは、
「弦が切れたのですが、弦を張り替えてもらえますか?」
という内容です。
「どのメーカーのどのライアですか?」
と聞くと、
「分かりません。」という答えが返ってくることが結構あります。
そんな時は画像を送っていただいて、メーカーとライアの種類を特定します。
「どのライアの弦でも同じじゃないのですか?」
と言われることがほとんどです。
実はメーカーによって、音を鳴らす弦の長さが違っています。
それでおのずから使う弦の太さが違ってきます。
同じ音だから、と言って、
違うメーカーの弦を張ってしまうと、
きちんと音が鳴らなかったり、最悪な場合、弦が切れてしまいます。
なので、ペロルに用意していないライアの弦の場合は、基本、張り替えることはできません。
そんな場合は、ライアと一緒に切れた弦を送ってもらうことにします。
切れた弦の太さを測って、それに合う太さの弦を他のライアの弦の中から探します。
結構手間のいる作業です。
最適な弦を見つけた後、
それを張って、
きれいな音が鳴るか確かめます。
そのために、ライアを送ってもらう必要があります。
切れた弦が無い場合はさらに面倒です。
弦の音が鳴る部分の長さと必要な音から、
どの太さの弦が最適か計算しなくてはなりません。
手づくりされたライアが届くこともあります。
弦の張りが緩いものがほとんどです。
弦の張りが緩いと張りのある明るい音が出ません。
また、低音のコイル状の巻き線はギターの弦がよく使われていて響きがよくないことが多いです。
ギターの弦は長い弦として音を出すように考えられているので、
ライアのような短い弦として使う場合は柔らかさが足りません。
ライアの弦はギターの弦と同じように見えますが、
芯になる線の太さが細いものが使われています。
すみません。分かりにくいことをつらつらと書いてしまいました。
弦一つとっても、これだけ大変なことがあるということです。
まとめ
ライアを購入される場合は、弦が切れたり、古くなったりすることを考えて、
ライアの弦のスペアが確保できるところから購入しましょう。
次に多いお問い合わせは、
「調弦しても、調弦しても音が下がるのですが…」
という内容です。
その原因として3つのことが考えられます。
1. チューニングピンが緩い
2. ライアの共鳴板と側板の接着が切れてライアがずれていっている。
3. 弦の下端のリングが緩んで外れてきている。もしくは弦が切れ始めている。
1.チューニングピンが緩い現象はよく見られます。
調弦していてピンが緩く、滑る感じがすることが多いです。
調弦して、チューニングキーを挿したままよく観察していると、キーが少し戻ります。
対処方法として、ピンを太いものや溝がしっかりついたものに替えるのが一番です。
そのほかに、ペロルでは簡易的にピンを2巻きほど中に入れる方法を取っています。
そのほかに、以下のような対処法があるようです。
耐水性のサンドペーパーを穴に入れる。
木の薄い板を穴に入れる。
木の粉を穴に入れる。
瞬間接着剤を一滴穴に垂らす。
当ペロルでは、これらの方法は後のメンテナンスが大変になるため、実施していません。
瞬間接着剤で処置されたライアがきしんで調弦しづらい、とお客様から修理の依頼を受けたことがあり、結構大変な思いをして穴とピンを清掃したことがあります。
2.これは一番気を付けていてほしい現象です。
ライアの共鳴板の接着が切れたことで、ライアに弦の張力がかかり、
ライアの板がずれ、変形していっている状態です。
調弦することでライアがひずみ、
その結果、弦の張力が弱くなり音が下がり、
また調弦する、ということを繰り返していくうちに、
ライアが大きくひずみ、どうしようもない状態になります。
その場合は、すぐにライアの弦をゆるゆるにして
(ゆるゆるにしてもまた弦が張りますので更にゆるゆるにしてください。)、
購入されたところに相談されてください。
大きくひずんだまま放置されたライアは再起不能なのでご注意ください。
特に2000年以前に作られたライアの多くは、
弱めの接着剤が使われているので気を付けてください。
3.上記の2つの現象が起きないが、音が下がってくる場合は、
下の留めリングが外れかかっているか、
弦が切れかけている可能性があります。
その場合は、調弦しているうちに弦が外れたり、切れたりしますから、
弦を交換してください。
まとめ
調弦しても音が下がっていくときは、
ライアが変形していっていることを疑ってください。
その場合は、即刻弦を緩めてください。
まだまだ、お客様からのメンテナンスに関する質問がありますが、
今回はこれくらいにしておきます。
ライア大会もあるので、あと何回かはライアの話題で進めたいと思います。
よろしくお付き合いのほどお願いします。

ライアについてお聞きになりたいことなどありましたら、
shop@perol.jpの方にメールでお知らせください。
さて、ライア大会、どんな感じになるのか、楽しみです!
2026/07/17 井手芳弘
