先日沖縄に行ってきました。
ライアを通して障がいを持たれている方々へ、
関わられているTさんのところへ訪ねていくのと、
ライアを作られている方へお会いすること、
沖縄に住んでいる友人を訪ねるのが目的でした。
以前は、時々沖縄を訪ねることがあったのですが、しばらくぶりです。
今回使ったのは、ピーチ、初めての体験です。
福岡空港から、1時間半あまり、東京へ行くのとあまり変わりません。
那覇空港に着くと、出口へ向けて人がたくさん並んでいます。
なんと、ここは那覇空港から少し離れたところのようで、
那覇空港までシャトルバスが連絡しているようですが、
2台ほどしかなく30分ほど待つことになります。
空港に迎えに来てくれている友人に遅れることを連絡をしました。
LCCなので仕方がありません。
並んでいる間、周りを見渡すと、
すべての職員の方がアロハシャツを着ています。
さすが、沖縄です。
やっと本来の那覇空港に到着です。
友人と会い、早速お昼を食べに行くことに、
なんと市場の中の店では、あり得ないぐらい、
具の多いマグロ丼(なんと生マグロ)をいただきました。
おまけに安くておいしい!
なんと、沖縄ではマグロが取れるそうです。
うかつでした。
次の日の出来事です。近くのスタバに行きました。
店の外のテーブルに座り、作業をしていると、
隣の席のおじさんが、電話でずっと話していました。
知り合いの人が来た途端、その人は外国語で話し始めました。
日本人だと思っていたおじさんは、実は外国人だったんです。
それにしても、流ちょうな日本語を使われています。
まるっきりネイティブです。
つい気になって、おじさんに訊きました。
「なに語をはなされていたんですか?」
おじさんは、「えっ?」「沖縄の言葉話してただけだけど?」
さすが沖縄です。
Tさんのアトリエでは、たくさんのスタッフの方々が働かれていますが、
お話を聞いてみると、ほとんど沖縄以外の方々だそうです。
なんと、沖縄はどんどん人口が増えているそうです。
Tさんは、沖縄に残っているわらべ歌を、
おばあたちから採集されていたそうです。
「自分の子どもたちにモーツァルトの子守唄を聞かせても
全然寝なかったのに、島の子守唄を聞かせたらすぐに寝てしまった。」
とのお話を伺いました。
また、「保育園で沖縄の遊び歌を唄い、身振りをすると、
1,2歳児の子どもたちでも、同じように動くんだ。」
というお話をしてくれました。
遠野の阿部ヤエさんの話をすると、Tさんもお会いになられたようで、
「阿部さんも沖縄のわらべ歌にとても興味を持たれたそうです。」と言われました。
Tさんとともにライアの活動をされている方から、
実際にわらべ歌の曲をライアで演奏していただきました。
そして、沖縄ではどのように子どもたちを育ててきたか、を教えていただきました。
沖縄には三線があるけれども、
わらべ歌などの繊細なものを演奏する
場合はライアが必要になってくる、とのことでした。
大変興味深いことです。
そして、とても深い文化が沖縄で培われてきた、ということに驚くと共に、
学ぶことがたくさんあると思いました。
また、話を聞く中で、
沖縄には名字を変えた方々がたくさんいることを知りました。
沖縄決戦の際に、一家全員がなくなったり、
家族ほとんどがなくなられたり、
などの悲劇的な体験を思い出したくない、との理由だそうです。
どれだけの悲劇が沖縄を襲ったのだろうか、
と今更ながら、その事の大きさに驚くばかりです。
那覇から車で北のほうに向かいました。
海岸沿いには聖なる場所が点在していました。
いずれも、黄泉の世界に向かう洞穴でした。
いまでも、深い精神性が息づいているのを感じました。
2018.12.07 井手芳弘