らせん教室の自然観察会を行いました。

らせん教室は河畔教室から引き続き三十年余り続けてきている

ゲーテ的自然科学に根差した教室で、

毎月2回のペースで行っています。

その教室では年に二回ほど自然観察会を行っていて、

今回は、うきはの泉を訪れました。

九重や阿蘇周辺はとても泉の多いところですが、

さすがに遠いので、

皆さんが車で来やすいところにしました。

これまでコロナの影響で、教室のお休みが続いて、

自然観察会も中止になったので、久々の開催です。

集合場所は道の駅うきはです。

10時半の集合にもかかわらず、駐車場は車で満杯状態です。

なんと、この道の駅は

九州でも一番の売り上げを上げているところだそうです。

こんな町から離れた場所で?

と意外です。

早速、近くにある清水寺の泉に向かいました。

臨済宗の由緒ある堂々としたお寺の横に泉がありました。

諸国を回っていたお坊さんが泉を見つけて、

ここにお寺を立てたそうです。

緑に囲まれた場所で、浅い池のようなたたずまいです。

表面は静かでとても水が湧いているようには見えないのですが、

そこからは結構な水量の水が流れ出ていて、

たくさんの水が湧いているのを思わせます。

一日に70トンの水量があるそうです。

名水100選にも選ばれていて、

丁度、水をくまれている方もおられました。

すぐ近くの道の駅の喧騒とは全く違った世界が広がっています。

自然観察をよそに、参加者の方々は活動開始!

みんなで水くみです。

ひとしきり活動が終わった後、

周りの木々や植物の様子も含めて、あとで絵が描けるように観察です。

静かに(?)観察をする10分間がすぎ、

そのあと、見えない地面の中の水が流れている様を想像して、

それが目の前の泉に湧き出しているところをイメージしました。

そして、参加者のオイリュトミーの先生の指導の下、

全員で「イ、ア、オ」の母音の動きをやり、

そのあと泉の動きであるLをたくさん含んだ、

「ハレルヤ」の動きをやりました。

通りかかった人が見たら、さぞかし異様な情景だったことでしょう。

それから、今度は近くの滝へ向かいました。

そこは調音の滝と呼ばれていて、

ある偉い方(奥方)がその音を聞いてメロディに聞こえてきた、

ということから調音の滝と呼ばれるようになったとのことです。

この場所にも誰も他の人がいないので、貸し切り状態です。

皆さんで滝の音がメロディに聞こえるかどうか、

しばらく集中して聞きました。

泉は下から水が上がってきたのに対し、

滝は、岩を洗いながら上から落ちてくる動きです。

最後に、アフガンの砂漠を緑に変えたペシャワール会の故中村さんが

参考にしたという、山田(ぜき)を見学しました。

山田堰は川の流れをせき止めることなく、

自然に流していく中で水を取るもので、

江戸時代から今もなお使われていることから、

その素晴らしさがうかがえます。

その場所にはアフガンの堰の様子が、

中村さんの写真付きで、紹介されていました。

生み出されるもの、

削り取っていくもの、

コントロールするもの、

という水の三つの状態の観察でした。

2020/09/18 井手芳弘

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