先日、らせん教室の自然観察会を行いました。
毎月2回のペースで行っているらせん教室では、
年に2回ぐらいのペースで自然観察会を行います。

初めのころは、福岡市の近場で行っていたのですが、
行く場所がなくなり、次第に遠くなっていきました。
前回は浮羽の泉にいきました。
その様子はつれづれ395で書いていますので、
良ければご覧ください。

今年は新型コロナウィルスが流行し、
前期に観察会ができなかったので後期は2回目です。
今回は、北九州にある平尾台を訪れました。

平尾台はカルスト台地で有名なところです。
山口県にある秋吉台と比べると名前は通っていませんが、
その分訪れる人も少なめで、のんびりと過ごせます。

カルスト台地は広々としており、
最初に訪れた時はサウンドオブミュージックの
情景が浮かびました。

最初に自然観察センターを訪れ、
説明を受けたのち、
さらに車で先の駐車場まで走り、
それから徒歩で出発です。

当日は、日差しもマイルドでちょうどいい観察日和になりました。
途中、スズメバチの巣をよけるために、
滝のある道を通ります。

降りていくと、先に木の生えた茂みが見え、
そこから水の音がしています。
しばらく降りていくと滝があり、
けっこうな水が流れています。
なんとその滝は岩の中から流れ出て、
そして地面の所で消えていっています。
前回の観察会は地面から静かに湧き出る泉を観察しましたが、
今回は全く違った形での湧き水の体験です。

滝の場所から急な道を上り、尾根筋に到着すると、
また降りていきます。
途中、道から10mほど入ったところに茂みがあり、そこが入り口です。

入口に差し掛かると、そこは地底帝国への入り口のように
ぽっかりと大きな穴が開いて地面の中へ続いています。
「とうとう見つけてしまった。地底帝国の入り口を!」
といった感じです。
最初は怖すぎてとても中には入れませんでした。

そこから滑る地面をロープを伝いながら降りていきます。
ここから懐中電灯をつけて進みます。
ライトを当ててキラキラ輝く壁に歓声が上がります。

しばらく降りていくと、今度はさらに細い洞窟に入ります。
頭をかがめながら、時折、四つん這いになりながら、
中を進んでいきます。
相変わらず、皆さんキラキラに歓声が上がります。

途中の広くなっているところで、
電気を消し、暗闇の体験をします。
今回の自然観察の目的はこの暗闇体験です。

眼を開けても閉じても全く変わらず、
自分の体も認識できない中、
どのような体験が訪れるのかを観察するのです。

R・シュタイナーが語っている、
<人間がまだ熱の状態で存在していた暗闇の中の土星期>
の体験でもあります。

洞窟の中の暗闇なのに、ライトを消したとたんに
天井を抜けて意識がずっと先まで続きます。
5分ほど沈黙の中で闇を体験した後、
皆さんで歌を歌い、声の響きの空間を作り、
母音の体験をしました。

再びライトをつけてみて驚いたのは、
お互いの距離が想像していたより近かったこと、空間が想像していたより狭かったこと(消す前のことを忘れてしまっていたんでしょう)。

洞窟から出ると、草が刈られた場所に腰を下ろしてお弁当を食べました。
そうしていると、作業をしていたおじさんたちが通りかかり、
「一時間ぐらいしたらこちらに火が来るよ~!」とのこと、
体験のシェアーも取りやめていそいそと道を戻ると、
すでに火が近くまでやってきています。

煙の懐かしい匂いに包まれながら、楽しく、少し疲れて
帰っていきました。

帰り道の途中でおじさんがひょっこりと現れて、
「何処へ行ってきたの?」と尋ねてきました。
いろいろ謎の話をしてくれて、そばにある池の話をしてくれました。

みんなで最後に休息所でシェアーをして戻ろうとしたときに、
空に、美しい彩雲が出始めました。
それは、それは鮮やかな彩雲で、みんな見つけることができました。

祝福された一日でした。

2020/11/20 井手芳弘

らせん教室ホームページ

つれづれ399 らせん教室自然観察会パート2」への2件のフィードバック

  1. 大変ご無沙汰しております。以前、行橋から参加させていただいていました城戸です。平尾台に来られていたのですね。是非、参加したかったです。幼稚園の仕事が多忙になり、なかなか参加できずにいます。また、時間を整えて参加していきたいと企んでいます。今度、行橋近辺に来られるなら、仲哀トンネルの体験会も面白いかもですよ。

    1. 城戸様コメントありがとうございます。
      仲哀トンネル調べてみました。
      なんだか、すごそうなところですね。
      平尾台からそれほど遠くないんですね。
      らせん教室、また参加をお待ちしています。
      英彦山の自然観察会なんかもおもしろいかも、と思いました。

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