相変わらずバタバタとした日々を過ごしています。
気づけば、目の前の紅梅の花がたくさん開いています。
「目の前にあったのに、どうして気が付かなかったのだろうか?」
と不思議でなりません。

先日、ライアの修理を片付け、東京へ出張しました。
今回はJALのクラス J の座席を取りました。
エコノミークラスよりもワンランク上のクラスです。
リッチになったわけでもなく
ケチな自分が変わったわけでもありません。
最近、JALのマイルの使い方がやっと分かり、
マイルを使って飛行機を予約できるようになりました。
これまで、どれだけたくさんのマイルを期限切れで無効にしてきたことか。
そして今回、なんとエコノミーの座席より、
クラスJの座席の方がはるかに安かったのです。
そんなことがあるのですね。
迷わず、クラスJの座席の窓際を取りました。
幸運にも窓際が一つだけ空いていました。

前日から準備でバタバタとし(つものことですが)、
学園の成績付けをぎりぎりで終え、急いで出発です。
今回は(も)忘れ物が多く、
前日には準備を余裕をもってやろうと反省しました。
いつものように。

空港にはいつもよりやや早め50分ほど前に着きました。
私としてはかなり上出来です。
カウンターで荷物を預けると35KGです。
預け荷物は20KGまでですから15KG オーバーです。
超過料金として5250円取られます。
「荷物を先に送っておけばこんなことはなかった。」
反省先に立たず、です。

超過料金の領収書をお願いしたら、
カウンターの係りの方が出発間際になっても戻ってきません。
トラブルとしてはレベル0.5ぐらいなので余裕です。
やっと戻ってこられて、領収書を目の前で手書きで書いていただきました。
そして、「パソコンで領収書を発行するシステムがトラブっていてすみません。」
と言われ、保安検査場まで案内していただきました。

保安検査場では、荷物が検査に引っかかり、
「何時の飛行機ですか?」
「17:00です。」というと、
「時間がない!!」と出発口に電話をしてくれています。
相変わらず、レベル0.5です。
やっと、何とか飛行機に乗り込むことができました。
何とか一段落です。

あまり寝ずに準備したので、
ゆっくりと座席で休むつもりです。
一息ついて、窓の外を見ながら考えました。

「これまで飛行機の窓からたくさんのことを発見したものだ。」
「 最初の頃は フライトアテンダントの方に何かしらの質問をしていたなあ 。」
「今となっては、ほとんど 質問することもなくなった。」
「もう 空を眺めていても何も新たな事柄は見出せないだろう。」
まあ、いつも始まりはこんな感じです。

折しも、夕暮れの太陽が飛行機の後方へ沈もうとしています。
雲がオレンジに色づき
浮かんでいる雲のラインがはっきりと見えるようになりました。
このラインの下には光が当たらなくなった、
とても濃く暗い空間があります。
ちょうどラインの上まで、太陽の光がさしていて、
その下は影になっているようです。

「そういえば、
以前このくらい空間が真っ赤に色づいて見えたことがあったな。」
と思いながら地平線の方に目をやると、
地平線の上の右側の雲が青紫色に輝き始めました。
地球影です。
地球のへりがお日さまの光を遮って、
その影が空に投影されている部分です。
何度見ても美しい色合いです。
青紫の色が直接心に沁み込んできます。

「影なのに、どうしてもこんな美しい色合が生まれるのだろう。」
と不思議でなりません。
天気のいい夕暮れ時にはよく見える現象ですが、
空の上からこれを見ることはあまりありません。
夕暮れの時間に飛ぶことが少ないからです。

ふと、視線を左の方に向けると、
その青い地球影が斜めになっているのに気がつきました。
まるで巨大な生き物のようです。
青い部分の下の地平線近くには薄い水色の帯が見えています。
この色合いは地上からは見たことはありませんでした。
スマホで写真を撮ってみます。
撮った写真を眺めてみると、やはり実物とは色合いが異なります。
仕方ありません。
刻々と変化していく色合いを撮ります。

最近、色が直接心に響いてくる体験をします。
それは、海の色合いだったり、空の色合いだったりします。
目で色を認識するのとは違い、心に直接響いてくる感じです。
こう書いていて、ふと直島でのジェームス・タレルの
光のインスタレーションの体験を思い出しました。
確かに、あの体験はこの地球影の色合いに似ている気がします。
色合いも直接心に響いてくる感じです。

しだいに地球影の幅が広がり、最後に暗闇に同化していきました。

美しいものは留めておけません。
留めておけないからこそ美しいのでしょうか?

2025/03/07 井手芳弘

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