308 ふらふら

寒いと思っていたら、梅の花が咲き始めました。

とたんに、気持ちが明るくなってくるから不思議です。

気温は低くても、

暖かいお日様の光が降ってくるときは

最高の日向ぼっこ日和です。

子どものころから、日向ぼっこが趣味だったのですが、

この年になって趣味と年齢がフィットしてきたように思います。

間違えました、

日向ぼっこを瞑想と言い換えようとしているのを忘れていました。
枯れた草の香りをかぎながら

青空を見るのも楽しいものです。

最近、東京に行きました。
列車に乗っていて、

おもしろい宣伝に出会いました。

どこかの神社にある杉の写真でした。
すぐに目が行くのは、木の幹に巻いているしめ縄です。

最近ではいろんな神社がしめ縄に

ビニール系の素材を使っています。

以前は目くじらを立てていましたが、

ロープもビニールのものもあることだし、

とあまり気にならなくなっていますが、

しめ縄が自然の藁かビニールかは

気になるところではあります。
「このしめ縄どっちかなー?」って考えていたら、

そのポスターの左端に

<迷いがあったら、そばに来なさい>

と書いてあるではありませんか。

そうか、分からなかったら近づいてみてみろ、

ってことか、これは面白い!

とおもむろにスマホを取り出し、

上の方に向けると写真を撮りました。
シャッターを押した瞬間

「カシャン!」というミッキーの声が響きました。

瞬間私は凍り付き、固まってしまいました。

顔が赤くなっていくのが分かります。

後ろを振り返る勇気もありません。

よくある話ですが、目の前のことばかりに気を奪われて、

ついつい自分のことを忘れてしまっていました。

自分のスマホがディズニーのスマホだということを

すっかり忘れていたのです。

前のスマホの調子が悪く、

買い替えに行ったときにちょうどいい機種がなく、

仕方なくディズニーのにしました。

最初のころこそ意識していたのですが、

いつの間にか全く気にならなくなっていました。

写真を撮るときも、人前で取ることはなかったので、

気になっていなかったのです。

**

前に、八女(やめ)市というところに行った時のことです。

八女と言えば、提灯で有名です。

また、八女茶というお茶でも有名で、

お茶の品評会でも日本一を取ったところでもあります。

市役所の前の道を歩いていると、

筑後小麦使用と書いた看板が目につきました。

うどん屋さんののれんが下がっていました。

そんなにお腹すいてないし、と通り過ぎてから、

まあ、試しに食べてみようと、中に入りました。

お昼を過ぎていて、お客さんは誰もいなく、

恰幅のいい店主と年を取られた女性の二人がおられ、

普通の店だな、と席に着きました。

のれんには「つるや」と書いてあり

端っこには三代目と書いてあります。

看板にあったおすすめのごぼう天うどんを頼みました。

すぐに出てくる、と思ったごぼう天は

てんぷら油の中でのんびり揚げられているではありませんか。

えっ!ここは揚げたて出してくれるんだ。

と楽しみです。揚げたてのごぼう天は初めてです。

と言いながら、どんぶりの上に

ごぼう天が乗せられた状態でやってきました。

早速、ごぼう天をうどんのつゆに入れると、

シュン シュンと音がするではありませんか、

「揚げたてってこんな音するんだ!」と思いながら、

うどんもつゆも最後までおいしくいただきました。
壁にかかっている絵のことについて質問しながら、

お金を払い、

出口の近くの写真入りの説明ポスターを眺めていると、

店主が来られ、話をしてくれました。

「当店のおすすめのごぼう天うどんは、

ごぼう天のシンフォニー(だったかな)と名付けています。」

とのこと。な、な、なるほど!

ごぼう天を出汁につけたときの音がシンフォニーなんだ!

それから、この筑後小麦を使って

うどんを作っているところ、

作れるところは日本にここしかないこと。

開発するのにどれだけ大変だったのか、

ということ。支店をいっそ東京に出そうかと考えていること。

そのためには、弟子を育てなきゃならいこと。

先代の時に弟子に大変な目にあったこと。

このスピーカーは友達が作っていて、

ドイツにまで売り込んでいること。

半導体が埋め込まれた壁(??)を使用していること(友達が作っているらしい)。

などなど、話をしていただきました。

話をしながら、「自分を売り込むのが苦手で…」と時折言われます。

この調子で、皆にも話をしたら…と思いました。

いやー、入り口は狭いけど、奥は深い!

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