今回もドイツのザーレム工房に向けて出発しました。
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今回は、ザーレムライアを引き継ぐために、
より具体的な話し合いと研修が目的です。
なるべく長い研修期間を取るために、
用事が終わる次の日の便を取りました。
案の定、予感した通り、
バタバタと出発しました。
今回は中国東方航空の飛行機便です。
福岡空港から上海経由パリ経由で
チューリッヒという航路です。
なんと、昨年の今頃の価格の半分という
11万円弱の価格で飛ぶことができました。
上海は、楽器メッセで
2回ほど行ったことがあるのでなんとなく安心です。
知り合いの方から、
「つれづれ楽しみにしています。」
と言われたのですが、
どうも、スリル満点のドラマを期待しているような表情です。
残念ながら、そんなことはありません。
福岡空港の国際線の受付を済ませ
通路を歩いていくと、
ショーケースがあり、
そこに、密輸の例の展示がありました。
「こんなものあったっけ?」
立ち止まってよく見てみると、
本をくりぬいて拳銃を隠したり、
靴の底や脚付きのまな板の足をくりぬいて覚せい剤を隠したりなど
いろんな実例が展示されています。
密輸のやり方を指南しているようですが、
ここにある手口はチェックされるということでしょう。
ある意味、親切です。
今まで何度となくここを通ったはずなのに、
初めて気が付きました。
その隣には、
ワシントン条約で輸入不可な動物製品が並んでいます。
象牙や水牛の角、たいまい、などが展示されています。
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「うん!?」
その上に置かれているのはどこかで見たような懐かしいものが…
「ダ、ダ、ダチョウのた・ま・ご??」
「これ、だめ?」
ペロルに普通に売っているものではないですか!
「クジャクの羽?」
「これ、この前、知り合いからもらってきたけど…」
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「二胡に張られたニシキヘビの皮??」
途端に上海メッセの巨大ニシキヘビの皮を思い出します。
「二胡買って来なくよかった。」
妙なところに足止めされてしまっています。
なかなか先に進めません。
何とか、上海に向けて出発です。
「ニーハオ」
とあいさつされ乗り込みます。
どうも日本人とはばれていないようです。
飛行中も中国語で話しかけられます。
そうしているうちに、2時間ぐらいで上海です。
「こんなに近かったっけ?」
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上海空港に着いて、
やることはメールのチェックです。
フリーWi-Fiをさがします。
以前は、空港に有料のWi-Fiがありましたが、
今はほとんど無料です。
まず、フリーWi-Fiをクリックして、
次に現れるログイン画面に名前とパスワードを入れればOKです。
でも、どこにも新規登録の画面がありません。
出てくるのは、Wi-Fi kioskの表示です。
「ひょっとしてパスワードを無料で売っているってこと?」
「フリーWi-Fiのパスワードを有料で売ってるわけないし。」
物は試しに、Wi-Fi kioskをさがしに出かけます。
途中に立っている案内のお兄さんに聞いてみると、
ターミナル1にあるとのこと、
途中シャトル列車に乗り、たどり着きました。
また、同じようなお兄さんに聞いて、探し回った挙句、
たどり着いたのは小さな機械でした。
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パスポートをスキャンすると、
名前とパスワードが出てきます。
早速写真に撮り、
パスワードを入れてログインです。
2回目で成功!
とやっていると、
外国の人が「どうやるの?」と聞いてきます。
いつしかkioskの前はたくさんの人だかりになっています。
ほとんどが日本人の若者です。
みんな「わからない。」
「入れない。」
と言っています。
「どうやったんですか?」
とみんな聞いてきます。
英雄になった気分です。
不思議な国際交流です。
結局、何が問題だったのか、
分からずじまいです。
一つ考えられるのは、
ひょっとしたら彼らも入れていたかも知れない、
ということです。
でも、グーグル検索やインスタなどにログインしようとして
入れなかったので、
つながっていない勘違いしたのかもしれません。
彼らはトランジットだったので、
中国ではそれらのアプリが使えないことを
知らなかったのかもしれません。
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4時間ほど待って、次はパリへの飛行機です。
一つ懸念事項がありました。
どこかで小耳にはさんだのですが、
中国の飛行機はロシアを飛ぶことを許可されているらしいのです。
「まさか、この飛行機も?」
「それで飛行時間が短い?」
チケットを取るときにはどこにもロシア上空を飛ぶとは書かれていません。
飛行機に乗り込んで、
早速フライトマップとにらめっこです。
上海から北西に進んでいます。
「えっ!」「そっちの方向?」
そのまま行けばロシアです。
やはり…
「Please enjoy your fright!」
この言葉が浮かんできます。
何かで読んだことがあるのですが、
ある日本人のCAの方が、
Please enjoy your frightとアナウンスして、
飛行機の中の外国の方たちから笑いがもれたそうです。
flight(飛行)と発音すべきところをfright(不安)と、
lとrを間違えて言ってしまったらしいのです。
日本語にはLとRの発音の違いがないので言い間違えやすいのです。
周りの人たちは、というと、
誰も不安そうにしていません。
海外に行く人たちは私と違って肝が据わっています。
不安で一睡もできないか、と思いきや、
いつしか、眠りについていました。
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目を覚ますと、モスクワの近くを飛んでいます。
前々回の飛行ではロシアを外して飛ぶのに驚いていましたが、
今回はロシアの上を飛ぶのに驚いています。
![](https://perol.jp/shop/wp-content/uploads/2024/03/DSC_0641-1024x768.jpg)
フライトは続きます。
2024/03/15 井手芳弘