今回もニーダーさんのところでイースターを迎えることができました。
イースター(復活祭)はドイツ語でオースターと言い
毎年日にちが変わるお祭りです。
春分の日の次の満月の次の日曜日と決められています。

イエスさまが亡くなったころのユダヤの暦に基づいており
ユダヤの暦が太陽太陰暦だったため
このように毎年開催日が変化します。
まるで、日本の中秋の名月の祭りのようです。

ヨーロッパでは3月の最終日曜日から夏時間となり
時間が一時間早くなります。
昨日まで8時だった同じ時間が7時になります。
イースターが3月の終わりの日曜日に来ることがあり
そのため今回のようにイースターの朝から夏時間となることがあります。

何年か前には混乱がありましたが
今は携帯が自動的に夏時間に変わるため
皆さん問題なく朝に集合です。
まだ暗いうちに玄関の前に集まっています。

「おはよう!」というと
「しーっ!」とみんな口に指をあてます。
「おう、そうだっだ、そうだった。」
「イースターの朝は泉に行くまで、みんな口を利かないんだ…」
昔、ユーゲントゼミナールという若者のためのゼミナールで
イースターの日に泉に行ったことを思い出します。
無言で車に乗りこみます。

車で5分ほど走ると泉に着きました。
そこには、すでに20人ほどの人たちが集まっています。
誰かが目で合図をすると、別の人が詩を朗唱し始めました。
そして、みんなで歌を歌い始めるではないですか。
どうも、皆さん知り合いのようです。
それも、シュタイナー関係の方々のようです。
こんなほとんど人が住んでいないようなところに
これだけのシュタイナー関係の人たちが集まっています。
改めて層の厚さに驚きです。

なんと側の休息所の鉄板の壁には
シュタイナーが書いた魂の暦のイースターの詩が透かし彫りされています。

ひとしきり歌が続いた後、
口々に「フローエ・オースタン(イースターおめでとう」と言いながら
順番に泉で顔を洗い、持ってきたペットボトルや瓶に水を汲んでいきます。

お家へ帰った後、しばらくしてイースターの朝食会です。
ニーダーさんには4人の娘さんと13人のお孫さんがいます。
総勢21人の食卓です。
結局、ホールを使うことになりました。

テーブルには、パンやサラダや果物などがきれいに飾られています。
まるで、王様の食卓です。

サイドテーブルにはなんとウサギのケーキも並んでいます。
もちろん、色とりどりのイースターのゆで卵も並んでいます。
卵をよく見ると、いろんなユーモアに満ちた言葉が書いてあります。
ニーダーさんとお孫さんが昨日書いたそうです。
皆さんでわいわい言いながら楽しい朝食が続きます。
最後に記念撮影をしました。

今度は裏庭に移り、恒例のお菓子探しです。
小さなかごには卵やウサギの形をしたチョコレートなどが入っていて
それを木の根元などに隠してあります。
子どもたちは、かごを見つけては大喜びです。
早速、包みを開けて大きな卵を割ると中から小さなおもちゃが出てきました。
昔、グリコのキャラメルに付いていた<おまけ>を思い出しました。

孫たちが帰った後
ニーダーさんは
「やっと静かになった。」
「つかれた。つかれた。」とつぶやきます。
そこで
「日本では、孫が来ると二度楽しい、というんだよ。」
と教えてあげました。
「孫に会える楽しみが一つ。」
「孫が帰って騒々しさから解放される楽しみが二つ目」
というと
「なるほど。」とニーダーさんは笑っていました。。

ザーレムライア工房に滞在中
日本時間に合わせて寝起きしていました。
こちらの時間でいうと、夕方7時に寝て朝2時に起きる生活です。
それでも、日本時間では夜3時に寝て10時に起きる
少し遅めの生活ですが…
一つは、店の営業時間に合わせること、
もう一つは日本に戻った時に時差ぼけしないように
との理由からです。

ある朝、目が覚めてから月夜に散歩をしてみました。
昼間に見えるヨーロッパアルプスが
月明りでも見えるかどうか確かめようと思ったからです。
残念ながら、アルプスを確認することはできませんでした。

帰り道、星座をさがしてみました。
さそり座としし座が不思議な並びをしています。
北極星を捜してみると、なんとかなり高い位置にあるではないですか。
北斗七星とカシオペア座も両方きれいに見えています。

何度もドイツに来ていながら、初めて星空と出会った気がしました。

2024/4/19 井手芳弘

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