ムラノ島に着きました。

島に着いて、運河沿いを歩いていると、

「ガラスの実演をしているから見ていかないか?」と声を掛けられ、

待ち時間が20分ほどあるとのこと、

後で寄ると伝え、ガラス博物館に向かいました。

 

橋を渡るとガラスの小物を売る店が軒を連ねています。

島全体が工房村のようです。

しばらく運河沿いに歩くとガラス博物館にたどり着きました。

ガラス博物館にはとても手の込んだもの、色合いの美しいものなど、

たくさんの作品が並んでいました。

それにもまして驚いたのは、

古い修道院のような建物を利用しているところでした。

入り口に通じる中庭はとても素敵なところでした。

その後、実演工房に向かい、

2ユーロを払いガラスの実演を見ることが出来ました。

 

瞬く間にガラスの塊から立ち上がる馬が出来上がりました。

工房の責任者の方に聞くと、こういうマイスターを何人も抱えているそうです。

 

帰りの船の中はたくさんの人でいっぱいで、甲板までごった返しています。

 

人の間を動き回ることもできず、車掌さんを探しましたが、

どこにいるかわからず、どうしようもありません。

そのうちに船は船着き場についてしまいました。

*    *

次の日、朝の3時ごろに起きてから10時ごろまで仕事をすると、

いよいよベネチアの街の散策です。

まず、サンマルコ広場に行きサンマルコ教会に向かいました。

 

とても、杭の上に建てられたとは思えない立派な教会です。

その隣には、また立派な宮殿が立っています。

しばらく並んで待っていると、時々人がつまみ出されています。

なぜだろうと思いつつ、やっと順番が来て、中に入ろうとすると、

やはりつまみ出されました。

「荷物を持っている人は向こうに荷物を預けるところがあるから、預けて来い。」とのこと。小さなリュックを背負っていたからです。

「えっ?どこ?」

と、他の人と一緒にフラフラしながら指さされた方向を探します。

 

やっと探すと、そこは何かの店で、そこで荷物を渡すと、

お金を取られずに紙きれをもらいました。

どこかに1時間以内と書いてありますが、

預けた時間はどこにも書かれていません。

 

また最初から並ぶの?と思いながら行くと、

そのまま中に入れてくれました。

 

驚いたことに、入場料は取られませんでした。

中に入って驚いたことは、その大理石のすばらしさです。

 

入り口にも、いろんな色の大理石の柱が並んでいましたが、

中の柱の巨大さは驚くばかりです。

どうやってこのような柱を切り出し運んできて立てたのだろう?

 

想像すらできません。

高い壁や天井は黄金色のモザイクの聖人たちで埋め尽くされています。

 

祭壇に向かって歩いていくと、左右からやってくる道と出会います。

 

左右それぞれの壁には入り口があり、モザイクで絵が描かれ、

上にはステンドグラスの窓があります。

 

ちょうど地上的に見て(上から見ると)十字架の中心の位置になり、

わたし的には、すべての方向から力がやってきて出会う

一番重要な場所だと考えています。

 

その場所は、祭壇の前あたりです。

そこから、祭壇の裏の領域に向かいますが、

そこからは入場料がかかります。

 

中に入ると、聖人たちの姿を浮き彫りにした

レリーフの大きな衝立がありました。

 

金と銀に覆われた表面には

ルビーやサファイアの巨大な宝石がちりばめられていました。

 

どれほどの富があったのか、と驚くばかりです。

ここまでは、残念ながら撮影禁止の場所のため、

画像をお見せすることはできません。

 

それでも時折、写真を撮っている人がいます。

先程の交差する道を進むとまた有料の部屋があります。

中に入ると様々な宝物が収められています。

 

その中に、聖人の遺骨が

金銀錫で装飾された美しいガラスのケースに入れられていました。

 

聖人は亡くなった後もこうやって教会のために貢献されているのだ、

と驚いてしまいました。

 

それから、上に登っていきました。

そこでは、教会の設計図や模型なども置かれています。

 

どれほど複雑な骨組みがなされているのかが分かります。

黄金のモザイク画が触れるところまで来ています。

それにしても、巨大な建物です。

 

このようなものが海の中に杭を打った上に建っているなんて、

やはり想像できません。

2018.05.04 井手芳弘

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