いわき市をはなれ、
いよいよ福島第一原発へ向けて車を走らせます。

 

まず、最初に連れて行っていただいたのは、
富岡町の桜の名所、夜の森地区でした。

夜の森地区は桜並木が

道路を挟んでずっと続いていて、
桜のトンネルとして親しまれたところだったそうです。

その桜並木に進む道は国道6号線から一か所だけで、

ほかの道はすべてバリケードで封鎖されていました。

しばらく車を走らせ、桜並木に到着しました。

桜並木の後ろには住宅地が続いていて、
さぞかし桜が満開の時は賑やかだっただろうと想像されます。

先に進むと、

その桜並木は突然バリケードで寸断されていました。

その先は、帰還困難区域ということで、

中に入ることはできません。

バリケードの中では、作業をされている方々がおられます。


バリケードを前にして、道路の右側の家に入る道も

すべてバリケードが張られていて、

中に入ることができません。

中には車が置きっぱなしのところもあります。

一切の持ち出しが禁止されていて、
物を持ち出さないように

バリケードをしているとのことでした。

もちろん盗難防止という意味合いもあります。
道路の左側にはバリケードがなかったように思います。

道路を挟んで帰還困難地域と帰還可能地域が接していますが、
「困難地域の人々は多大な保証金をもらい、

帰還可能地域の人は一時金しかもらえていない。」

ということで、(不確かな情報なので、できればご確認ください)
「地域の人々の人間関係はぎくしゃくしたものになっている、」
とのことでした。


帰還可能地域になっていても、

多くの人は戻っていないそうです。

特に、若い人たちは戻って来ていないとのことでした。

途中に、大きな学校がありました。
広い校庭には草が生えており、静まり返っていました。
入り口では、

ポツンとモニタリングポストが線量を示していました。
以前は、たくさんの子供たちが校庭で遊んでいたのだろうな、
と想像しました。

それから、今度は富岡駅に連れて行ってもらいました。
あたりは、新しく開発中の土地のように、整備され、
建物の建設が始まっていました。

駅について驚いたことですが、

なんと常磐線はこの富岡駅で終わっていたのです。


津波はこの富岡駅も飲み込んだため、

最近除染も進み、

この富岡駅も新たに建てられたそうです。

駅から海岸を望むとかなり離れており、

途中に大きい道路が見えます。
津波はその道路を超え、

駅を線路もろとも流していったのです。
線路の上にかかる高架橋の上にたくさんの人が避難したそうです。


右手の方には、巨大なテントのような建物があります。

何のための建物か駅長さんに聞いてみましたが、
わからないそうです。


常磐線は現在、浪江駅までの不通の3駅間を

バスの代行運転をしているそうです。
常磐線は東京オリンピック前の

2020年3月に全線開通予定だそうです。


知り合いの方に
「もちろん、途中の駅は帰還困難地域だからないんですよね。」
と質問すると、
「いえ、途中の駅も作るそうです。」
との答えでした。
「???」

今度は、いよいよ、帰還困難地域を抜けて

南相馬市のほうへ車で走ることになりました。

つづく

2018.09.21 井手芳弘

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