今回、アレキサンダー・ヴィンターさんをお迎えして、
福岡と東京でワークショップをしていただきました。
福岡では、13名の方々にご参加いただき、
色彩の本質というテーマで4日間にわたっての講座でした。
ある画家の質問に対する答えとして、ルドルフ・シュタイナーが提唱した、
画家たちのための練習のための9枚のスケッチをもとに、
数名の画家たちがそれを発展させていきました。
その中にワーグナーさんという方がおられて、
ドルナッハにあるワーグナー絵画学校を開設され、
ヴィンターさんはその学校を卒業されたそうです。
ヴィンターさんは、ワーグナー学校でたくさんのことを学ばれたそうで、
そのことを通してご自身のアントロポゾフィーに関するお考えを深めていかれたそうです。
もちろん、その前も画家として活躍されていた方でもあります。
まず、色環に関する説明があった後、紙の面全体を薄く黄色に塗ることで講座が始まりました。
そしてそれに、その身近な黄色を塗ることでどのような反応を黄色がするか、という体験。
そしてどのようにレモンイエローとゴールデンイエローとその中間の黄色が置かれれることで黄色が呼吸し、
輝きだすのかという体験をし、そのあと紫の体験、赤の体験へと続きました。
そこには、その色の背後の隠されたものの体験、色がどのように自分自身を表していくのかという、
体験と理解を得ることができました。そして、別のテーマでもう一枚描きました。
東京では、四大のテーマで描きました。
福岡とは違い、ヴィンターさんとお会いになるのは初めての方ばかりだったので、
初めは緊張もありましたが、徐々にそれもほぐれ、
ヴィンターさんの冗談に参加者の中からたくさんの笑い声が聞こえてきました。
講座ではそれぞれの色環の中から、空気的な要素の色、水的な要素の色、
地的な要素の色、熱的な要素の色を探し、実際にそれらを使って描いていく体験でした。
水的な要素のばかりの中に、地的な要素の色を入れる時のある種、
心の痛みのようなそう言う体験が訪れました。
参加者の皆さんからは、ご自分の絵を描くことを通して、
自分の人生上の問題点を疑似体験をしているようだ、との感想をいただきました。
絵でうまくいかなくなったところ、気になるところをどのように解決していくのか、
というところが、まさに自分自身の問題と向き合う体験だったようです。
ヴィンターさんは最後にいわれた「一筆一筆は、人生における行為そのものである。
もし、そのことで、絵が悪い方向に向かっていると感じたとしても、
それは自分を進めていく一歩である。」という言葉はとても印象的でした。
2009.04.03.