156 星の話・17

太陽の光は平行光線だって聞いたことがあるよね。

それってどういうことかわかる?

「簡単なことじゃない。」

「お日さまの光が平行に来ているってことでしょ。」

「例えば、小さな窓を通ってきた電灯の光やロウソクの光は

離れると幅がどんどん大きくなるけど、

お日さまの光はどこまで行っても同じ幅で続くってことでしょ?」

そうだね、その他には?

「それだけ…じゃないの?」

光が平行に来ているとするじゃない。そしたら、こうも考えられるかもしれない。

いま立っている場所から光の来る方を指さしたとするよね。

そして、少し歩いてまた指さしたとしたら同じ方向を指さしていることになるんだ。

歩きながら指さしてもいいし、他の人たちも動物たちも、

みんなみんなお日さまを指さしたとしたら、

みんな同じ方向を指していることになる。つまり平行になるんだ。

そして変なことが始まる。

「変なことが始まる?」

そう、だって、隣の人は自分の指さしているお日さまじゃないところを指さしているからさ。

「えっ? お日さま、そこじゃないよ。

ボクの頭の上に輝いているんだから。」って言うだろう。

すると、隣の人は、

「何言ってんの!お日さまはボクの頭の上さ。

君の頭の上になんか輝いていないんだから。」って言うんだ。

いつまでたってもお互いに言い張っていて、気が付くと、それぞれの人たちが、

動物たちが、自分の頭の上だ、って言い張っているのさ。みんなの考えは平行線ってわけ。

「……」

「なんだかすごそう!」

お日さまだけじゃなく、お月さまも星たちだって同じさ。

お月さま、いや星の光って見えないけど、みんな平行線、

星は空の上に点のように存在しているけど、その場所は不思議なもの。

有ってないようなもの。

だって、みんな違う場所を指すんだからね。

それどころか、星には、もっと不思議なことがある。

一つの点からの光って広がっていくよね。

周り全体に向かって。

ところが、星が二つあるとするだろう。

もちろん二つ以上あるけど…

すると、その二つの星からの光は逆に一人の人に向かって狭まりながら降ってくるんだ。

それぞれの人の中心に向かってある角度を持ちながら狭まってくる。

「それって、まったく意味が分らない…」

そう、自分が右手で一つの星を指し、左手でもう一つの星を指すとするよね。

すると、右手と左手である角度が出来る。

自分に向かって二つの光が集まってきている。

ふと、隣を見るよね。するとね、隣の人も右手と左手で角度を作っているんだ、

自分と同じ角度を。でも、指さしている場所は違うけどね。

「方向が同じで、みんな平行線、でしょ。」

そう、よくわかってるじゃない!

他の人も、動物たちも、みんな、両手で同じ角度を作っている。

歩いている人も、歩きながら…

「それだけはわかる…」

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