「毎日私たちに光をくれているお日さまって、一体なあに?」
そうだね、私たちを目覚めさせて、元気づけてくれるもの?
「強すぎると疲れてしまうけどね。」
「植物たちだってね。」
お日さまって、光を受けてくれるものを探してるって思わない?
「それってどういうこと?」
だってさ、お日さまからの光が何かに当たらなかったら、お日さまから光が来ていることが分らないよね。
夜の星空を見てごらん。夜空には本当はお日さまの光が沢山満ちているんだ。でも、宇宙空間にはその光を受けてくれるものがないから真っ暗なのさ。
それが何より証拠には、夜に出ているお月さまは、空の闇を通してお日さまの光がお月さまに届いているんだよ。
お月さまが自分で輝いているんじゃなくて、お日さまの光を受けているって考えたら、闇を通して射しかけてくるお日さまの光を感じることが出来るかも。
<人の笑い顔にも、神さまの光が射しているって考えてみてもいいかも>
同じように、火星、水星、木星、金星、土星もお日さまの光を受けて輝いている。
望遠鏡で見ると輪っかが見える土星も星空では明るい星の一つにしか見えないけどね。
「えっ?じゃあ星たちは輝いているじゃない?」
「それもお日さまの光を受けてるの?」
星たちは、自分で輝いている。太陽のように自分で輝いている大きなものなんだけど、ずっと、ずっと、ずーーっと後ろに引いているんだ。そして、太陽だけを代表として私たちの舞台に登場させているんだ。星たちの代表者としてね。
「お日さまの光が受け止められなかったらずっと先に行けるんだよね」
ずっと、ずっと、ずーーっと先でいつか受け止められるかも…
「それでも永遠に受け止められなかったら永遠にいける?」
永遠に受け止められなかったら、あるかどうか、あったかどうかさえ分からない。
「そんな…」
いつか、受け止められることで、お日さまの光は自分の存在を明らかにすることができる。
「でも、受け止める物がなくてもお日さまを見ることできるじゃない。」
でも、その時はお日さまを見ている自分がいるってこと忘れちゃいけないよ。その自分にお日さまの光が受け止められているってことだからね。
「そ、そうか。今日はさえてるね…」
「半分受け止めて、半分受け止められずに遠くに行くのって、あり?」
そうだね、半分透き通っているものなんかどう?
ガラス、色つきのガラス、水、薄い紙、障子、葉っぱ、空気、他にもいろいろあるかも…
人とか?
「えっ?透けてる?」
そう、魂は透けてる。
お日さまの光は半分この世の人に、半分は永遠に通り過ぎていく。
「でた!訳のわからない話…」
お日さまは、物に出会うことで、自分自身を明らかにしていく。
考えも、考える対象がないと、何も考えられないもんね。
朝日が射してくる。
朝日を浴びている。
あのベンチも
あのヤシの木も
あの木も
あの木も
あの木も
私の背中も
私に太陽が語りかけてくる。
おまえは私だと。
あのベンチも
あのヤシの木も
あの木も
あの木も
あの木も
私の背中も