平泉寺白山神社の後、

泰澄がそこで瞑想したという、巨石のあるもう一つの白山神社に寄り、

コインランドリーでようやく服のみそぎをしました。

そして、次の日はいよいよクライマックス、永平寺です。

毎年、ゆく年くる年の放送では、雪深い中から、

そのありがたい梵鐘の響きを聞かせてくれるところです。

川沿いの道を走ると、蕎麦屋のお店の看板が現れてきます。

さらに走ると、門前町に入り、最後にお寺に行きつきます。

お寺の横の店で手を振っている人がいます。

呼ばれるままに、車を中に移動させます。

何か買うと、駐車場代が無料になるとのこと。

そこに車を止めると、いよいよ永平寺の山門です。

しばらく歩いたところに次の門があり、

そこで入館料を払うといよいよお寺の中です。

テントをくぐり、広い入口から中に入ります。

さすがに巨大です。

<修行中の僧の写真は撮らないように>との注意書きがありました。

もちろん、そんな失礼なことはしません。

さらに歩くと、観光客の人が7,8名椅子に座り、

若いお坊さんがお寺の見取り図を指し示しながら説明しています。

面白そうな光景なので、写真を撮ろうとすると、

「写真を撮らないでください!」といきなり怒られてしまいました。

「この人、修行中じゃないと思うけどな…」

とブツブツ言いながらそこの椅子に腰を掛けました。

説明が続きます。

「永平寺は左側通行です。」との説明がありました。

説明が終わってほかの人たちがいなくなってから、

「どうして永平寺は左側通行なんですか?」と尋ねると、

ムッとして

「そんなの、理由なんかありません!」

「永平寺は昔から左側通行なんです!」

「え・い・へ・い・じ・は、ひ・だ・り・です!」

とまた怒られてしまいました。

「永平寺はひだりです!」

なかなかいいキャッチコピーです。

回廊を通りながら、進んでいきます。

修行僧の方々が頭にタオルを巻いて掃除に励まれています。

渡り廊下の真ん中のところで必ずお辞儀をされます。

とても礼儀正しく、気持ちがよくなります。

もちろん、掃除も隅々まで行き届いています。

お坊さんがたは、皆さん痩せられていて精悍な感じです。

若くて、頭を丸めてあるので、まるで高校球児のようです。

質素な食事と厳しい修業がそのような姿を作っていくのでしょう。

回廊の階段をずっと上がっていくと、

一番上に大きな仏像が置いてある本殿に行き当たります。

さらに進むと、トイレがあったので入りました。

小便器の上に、A4ぐらいの紙に<一歩前へ>

とマジックで書いた紙が貼ってあります。

修行されているお坊さんが書かれたものでしょう。

とても前向きです。

途中の廊下の横に、小さい部屋がひっそりとありました。

そこには白山からのわきみずが湧いていて、

毎日の仏事に使われているようでした。

回廊の階段を下りていくと、廊下の隅の窓のところに

オニヤンマが一匹外に出られずに、羽をバタバタさせています。

長い間格闘したようで、かわいそうに、蜘蛛の巣だらけです。

窓を開け、トンボを逃がしてあげました。

一つ善行を積んでしまいました。

由緒あるお寺での善行なので、ご利益のポイントは大きいと思います。

さらに歩くと、お坊さんたちがたくさんで読経しています。

真ん中の椅子にはえらいお坊さんが座り、

その左右に若いお坊さんたちが五人ずつほど向かい合わせに座っています。

さらにその先には左右のお坊さんが巨大な木魚とおりんを鳴らしています。

手前のほうには、胸に赤いリボンを付けた信者の方々が座られています。

左右のお坊さんは、五度の和音で読経されおり、

時折立ち上がっては、右回りと左回りでその場を行きかいます。

とても荘厳な読経でした。

お昼は、おいしいお蕎麦をいただきました。

2019/11/15 井手芳弘

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