先日、6月21日に部分日食がありました。
前回の皆既日食では、屋久島まで行きましたが、
残念ながら曇っていて欠けた太陽を見ることはできませんでした。
今回は完全に欠けるわけではありませんが、
三日月に近い状態にはなるようで楽しみでした。
梅雨の間の夏至の日ということで、昼過ぎまで曇っていましたが、
午後から晴れ始め、日食が始まる16時過ぎには、
かなり晴れてきました。
そんな中、日食グラスも準備していなかったので、
写真のフィルムの端を探し出し
(最近はデジタルなんでフィルムないですよね)、
サングラスをかけて眺めることにしました。
でも、欠けた太陽を見ることよりも見てみたいものは木洩れ日です。
普段の太陽の木漏れ日はきれいな円い形をしています。
それが、日食の時には三日月の木漏れ日になるそうです。
私はこの年になるまで、
日食の木漏れ日なるものを見た記憶がないのです。
多分、日食は人生の中で何度かあったはずなのですが、
意識していなかったのでしょう。
なんだか、忘れています。
ましてや、木漏れ日の形を観察したことはないように思います。
「欠けている、欠けている。」
と太陽を観察しながら興奮していましたが、
うかつにも木漏れ日を観察するのを忘れていました。
樹々の葉っぱが地面に影を落とすとき、
樹々の隙間から漏れる光が地面に投影して円い形がたくさんできます。
風が吹いたりすると樹々が揺れて、
円い木漏れ日も地面の上を遊ぶように移動して幻想的です。
木の枝が地面から離れれば離れるほど、円い形が大きくなります。
以前飛行機から、雲の隙間からの巨大な木漏れ日が
海の上に投影しているのを見たことがあります。
それは、それは雄大な景色でした。
わたしは、木漏れ日が円いことに30才過ぎまで気が付きませんでした。
シュタイナー関係の書籍の中にそのイラストが載っていて、
初めて気が付きました。
気が付いてみると、どの木漏れ日も丸く、
<それまで見ていたはずなのにまったく見えていなかった。>
ということに衝撃を受けました。
6月21日の午後4時過ぎから欠け始め、
5時前にはかなり欠けていました。
でも空を見る限り太陽は明るくて欠けているようには見えません。
フィルムとサングラスを通して初めて欠けているのが分かります。
早速、地面の上の木漏れ日の観察です。
「欠けてる、欠けてる!」
地面の上には木の影ができていますが、
その中にたくさんの三日月の光の形ができています。
風が吹くと木が揺れて三日月の形もあちこちに動き回ります。
欠け方は実際の太陽の逆さまです。
漠然と眺めていて、その様は、いつもとは違う印象をもたらします。
普段の木漏れ日の温和な感じとは違う、
何か刺すような殺伐とした感じを与えます。
同じような現象は実は月の光でも起こっていて、
三日月や半月の時に暗いところに行けば観察することができます。
暗い中の三日月の木漏れ日はさらに異様な感じで、
まるで笹の葉が揺れているようです。
しばらく眺めたあと、白い紙を持ってきてそれを地面に置いたり、
いすに立掛けたりして観察したり、撮影したりします。
白い紙だと、木漏れ日がよりはっきりと映ります。
次は、ET遊びです。
指と指を近づけてオーラ(?)が飛び交う例のシーンです。
残念ながら、カメラを抱えていて両手を使うことができないので、
撮影できません。
仕方なく、こめかみ辺りと指で挑戦です。
「おお、なんとアラビアンナイトの魔法使いの指先のように
爪が反りあがっています!」
次は、別の場所に行って、木漏れ日ではなく、木の輪郭を映してみます。
槙の木の影の輪郭は、
髪を洗って、そのまま風の強い中に出て乾いた
アフロのお兄さんの頭のようにつんつん跳ねています。
また戻って、今度は木漏れ日の動画を撮ってみます。
途中、風が止み木が揺れなくなったので、手で揺すってみたりします。
ふと思いました。「この三日月はお日さまの像だよね。」
針孔レンズを思い出しました。
「それだったら、この三日月の木漏れ日の一つ一つに
逆さまに映った太陽の周りの景色が映っているだよね。」
考えれば、考えるほど世界は不思議で複雑です。
「なんだこれ?」「木漏れ日の中に映っている物?」
2020/07/03 井手芳弘
井手先生、お久しぶりです。鹿児島の神田悟です。
最後のは一体何ですか?
神田様
コメントありがとうございます。
引っかかっていただいて、嬉しいです。
最後のものは、木漏れ日の光が当たった葉っぱの影です。うまく説明できないのですが、木漏れ日が当たったものの影はとてもシャープになります。
そちらは雨は大丈夫だったでしょうか?
ペロルいで
井出さんが日食のいろいろ実験して写真を見せてくださったので嬉しいです🤗
ずいぶん昔に、鹿児島の吉野公園で、井出さんのお話を聴かせていただいたことがあります🤗
その時、他の周りの雲とは違って、空の高いところの雲がオレンジになっていて、
『あの雲の所からは夕日が見えているのだ』(とかなんとか、詳しい言い方は忘れましたが)、などのお話をしてくださって、それから、私にとって、空の景色が、一変しました✨
雲がそれぞれ同じではなく、違う高さにあるのだということが感じられました。
今回の実験にしても、井出さん自身が楽しんでおられるのが伝わってきて、読んでいてとても楽しいです✨
ありがとうございます🤗
また投稿楽しみにしています🤗✨
永田美和様
コメントありがとうございます。
気が付くのが遅れて、返信が遅くなり申し訳ありません。
公園での観察役に立ったようで大変うれしく思います。
今回の日食では、私自身、たくさんの発見があり楽しかったです。
特に、アラビアンナイトの爪とアフロは最高でした。
世界は不思議に満ちていて楽しいですね。
ペロルいで
井出さん、日食の木漏れ日が三日月形になるとは知りませんでした! 井出さんの写真を見せましたら、夫が、そうそう、僕も小学校のときにそれを見て、ずっと不思議に思っていたんだ、と言ってました。
福島様、コメントありがとうございます。ご主人も不思議に思われていたんですね。
不思議なことがたくさんあるのは楽しいですね。
ペロルいで