この頃、夜明け前の朝に金星が明るく輝いています。
これからやってくる日の出を指し示しているようです。
まさに希望の星です。
ベツレヘムに向った3人の博士たちが目指していった星も
きっとこんな感じだったのだろうと思います。

この時期の私の仕事の一つは星座のカレンダーの翻訳をすることです。
毎年、このころになるとドイツのシュタイナー関係の出版社から
星座のカレンダーが送られてきます。
そこには、各月の美しい夜空の星たちと星座の絵や惑星の動き、
各月のトピックなどが書き込まれています。

そして、その説明文がドイツ語で書いてあります。
その説明文を翻訳していくのですが、
これがとても時間と労力がかかります。
この分は全く価格に反映されないので、仕事にはならないのですが、
「どうして、こんなに大変な思いをして翻訳しなければいけないのだろう。」
と思うこともありましたが、
「自分自身にとって、とても良い学びになっている。
これをほかの人にお福分けしてあげよう。」
と考えるようにしました。

星の話はこのつれづれでも何度も書いていますし、
ドイツのシュタイナー教員養成所の図書室で天動説の本を発見してから、
天動説について、つまり地上から見た星々や惑星の動きをずっと独学で学んできました。
そして、ほとんど解ったつもりになっていました。

でも、このカレンダーを見て、各年での金星や水星の出方の違いなど、
毎回驚くことがたくさんです。
また、星座や暦の起源になった、バビロンやギリシャ時代に星がどのように理解されていたか、などとても興味深いところです。

時々子どもたちに「あそこに土星が!木星が!火星が!金星が!」と説明しても、まったく興味を持ってくれません。
「スマホやゲームばかりやっていて、周りの世界に興味がなくなっているんだ。」と嘆いてしまいますが、
よく考えると、自分自身も若いときは星空にはあまり興味を持っていなかったような…
大学4年の時に初めて「はくちょう座」を覚えて、
いろんなところに行って、空に白鳥のすがたを認めては、
嬉しくなっていました。

Rシュタイナーの言葉の中に、Sterne spachen einst zu Menschen
星々は人間に語り掛けていた、で始まる言葉があります。
その中で、星々は今沈黙していると書いています。
Rシュタイナーはいろんなところで、「昔は星々が語りかけていた、今の星空は死んだ星空である。」と語っています。
「???」
理解できずに、信じるしかありません。
<星々が語るってどんなことだろう?>
とずっと考えています。

昔の人たちがどのように星空を見ていたのだろう?
多分、そのころは星空が人間に語り掛けていたのだろうな。
どんな風に?
少なくとも、月のあばた(クレーター)や土星のリングなんか見えていなかったんだろうし…
いろいろ考えてみます。

まあ、とにかく今出ている星や惑星たちと親しくなろう。
幸い、住んでいるところが田舎なので、天の川を見ることができます。
日没後に明るく輝いている土星と木星が来年あたり出会うようです。
二つの星の動きに目が離せません。
そのほかにもいろんなショーがあるようです。

眺めていたら星たちが話しかけてくれるかもしれません。

2020/1 1/06 井手芳弘

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