220 夏至

夏至がやって来る。

夏至で太陽の高さが最高点を迎える。

そして昼の長さが一番長くなる。

「これから暑くなるね。」

でも、オーストラリアなどの南半球の国では寒くなっていくんだよね。

「へそ曲がってるね。」

不思議だよね。想像できないよね。今そんな国があるなんてね。

<ぼくたちがこうやって日々暮らしているけれど、

地球上のいろんな国では人はまったく違った環境にいて、

それが当たり前と思ってそれを支えにして生きているんだろうな>

って思うと、とっても不思議。

前も話したかって思うけど、

今、ぼくらの住んでいるところから南に進んでいくと、

昼の長さは長くなるか、と思うとそうではなく、

だんだん短くなる。そして赤道に来た時に、

昼と夜の長さがまったく一緒になる。

そして、更にオーストラリアに向けて南に進むと今度は昼の長さが短くなっていく。

赤道って地球の真ん中で

北半球と南半球をつないでいるんだけど、

ちょうど二つの世界の中間的状態にある。

「じゃ、オーストラリアより先に進んでいくとどうなるの?」

昼の長さがもっと短くなって、最後には昼がなくなる。

「オーストラリアの人たちは、寒い寒いって言って、

南極のペンギンたちは昼がなくなってずっと夜なの?」

そうそう、考えられないよね。

「じゃ、夏至の日本から更に北の国に行くと、より昼が長くなって、最後には昼だけになる?」

その通り。

「それでは、赤道直下の国は

毎日昼と夜の長さが同じだったら、一年中同じ気候なの?」

いいや、一日の長さは同じでも、

太陽の高度が毎日違うから、一年中同じではない。

「昼と夜の長さが同じなのに、太陽の高さが違うってどういうこと?」

あるときは空全体を横切るように太陽が動くか、

と思えば、あるときは少しそれて、少し小さめな半円を描く、

円が小さくなる代わりに、太陽は少しゆっくり動く。

「えっ?太陽って動く速さが変わるの」

そうそう、春分の日と秋分の日が

一番太陽の動く速さが一番はやくて、

夏至と冬至は動く速さが一番遅い。

ぼくらの住んでいるところだって、まったく同じ。

夏至と冬至の太陽はゆっくり動き、春分秋分の太陽ははやく動く。

でも、赤道直下の国では、

太陽はヤシの木の間を真っ直ぐ登るようにお日さまが出、

ヤシの木の間を真っ直ぐ降りるように沈んでいく。

それも、春分の日と秋分の日は一番高く、

夏至と冬至はやや低く動きながら。

「見てみたいね。」

見てみたいね。ヤシの木の葉で屋根を葺いた小屋で、

長椅子に横になりながら、ヤシの実ジュースを飲みながら。

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