「カメラは必要ないかもしれないけれど、
とりあえず、持って行っとこう。」
と肩に斜めに掛け、頭はぼさぼさで出かけました。
一眼レフのカメラは大きいので荷物になるのですが、
雲などの写真を撮るときは、
自分でピントを合わせることができるのでやはり重宝です。
こう言ってはなんですが、
私は、雲の観察、とくに飛行機からの雲の観察の専門家(自称)です。
もう、どんな現象も見つくしてしまったから、
取り立てて撮影するようなこともないだろう、
とカメラを前の座席のポケットのところに
工夫して掛けていました。
でも、やはり座席は窓側、
可能なら後ろから3列目の右側をとります。
パソコンを開きながら、何とはなしに窓の外を眺めていました。
外に見えるのは、昇る朝日に照らされている雲たちです。
おっと、何とも言えない薄い色の雲がかかっています。
光の当たり方から考えると、不自然な明るさではあります。
これまで、このように不自然に明るい雲をたくさん見てきましたが、
こんなに清楚で美しい薄い雲は見たことがありません。
心が洗われるようです。
これは、光の回折現象によって起きているために、
不自然な明るさになっているようです。
ほかの角度から見ると、不自然な黒い雲だったり、
彩雲が見えたりしています。
雲の影が海に映っています。
海の表面は光学的に不思議な表面で、
半光沢とでも呼びましょうか、
影が映る場所が実は限られています。
太陽と自分が一直線になるところだけに
雲の影ができていきます。
もちろん影ができるあたりの海は太陽の光で明るく輝いていて、
そこに雲の影がホルスタインの牛の模様のようにくっきりと映ります。
当たり前のようですが、
この影がくっきりと映るのは不思議な現象ではあります。
だって、海は表面が波でかなりマットになっているので、
影がはっきりと出るのは理屈に合わないように思えます。
海が太陽の光で輝いて雲の影ができている面と、
光が当たらずに(光は同じように当たっているのですが)
暗い色をした海に白い雲が映っているコントラストが何とも美しいです。
まるで洋服の柄にしたいような美しさです。
もう、パソコンどころではありません。カメラはフル稼働です。
バッテリーが少なくなりかけています。
まだまだ、続きます。
空のショーのオンパレードです。
まだ、こんなにあったとは・・・