梅雨の間の晴れ間が続いた熱い日、
ちょっと湿原に寄ってみました。
湿原といっても、尾瀬のような
大規模なものではなく
(行ったことがないので定かではないのですが)、
佐賀県の七山というところにある小さな湿原で、
樫原湿原といいます。
二度ほど訪れたことがあるのですが、
花の時期に訪れたことがなく(多分)、思い立って行ってみました。
たどり着いてみると、そこには水草や睡蓮の池が広がっていました。
なるほど!
思い出したのはモネの作品展です。
目の前には、モネの作品(?)が至る所に並んでいます。
これは、鑑賞しない手はない。
いや、観察だ。
早速カメラを車の中から取り出し観察の開始です。
そもそもこの不思議な質感は、
水面の反射、水の色、
そして水面に浮いた水草の葉の色から生まれてきます。
この三つの組み合わせはとても繊細に、
モザイク的に並べられ、
まるで印象派の絵の具の置き方そのもののようです。
池に影が差しています。青い色合いが何とも言えません。
さらに影の差している中を進みます。
陰になった水草の葉っぱの色と
光の当たっている風景の緑の反射のコントラストが
なんともたまりません。
影になった部分の色合いは鮮やかではない、
という考えが間違っていることを知らされます。
このような睡蓮の色合いをモネの絵で時々見ることができました。
さらに池の行き止まりあたりまで進むと
一本の木が水面の上に顔を出していました。
もう、わけのわからない
色合いの世界が広がっています。
この画像を眺めているだけても、
意識がちらちらとさせられていくのですから、
これが実際に動いているものを見た日には、
ほどんど意識を失ってしまいます。
細いイネ科の草が水面から出ていて、
その影が水草の上に直線的に伸びていて、
なんとも興味深いラインが生まれています。
睡蓮の一枚の葉っぱを上からとってみました。
真ん中に切れ目が入って、
豚さんの足みたいでとってもかわいいです。
さらに歩くと、まためくるめく風景が広がっています。
ここは睡蓮の葉が広がっています。
もう、完全にやられてしまい、
もうろうフラフラと池のほとりを夢遊病者のように歩いています。
幸いなことに、周りには誰もいません。
さらに歩いていき、
大きな池の端のところに来た時に、
突然泡のような波が…
青い泡の波は水草を包み、交じり、
水草をぶくぶくします。
私の頭もぶくぶくふらふらです。
こういう日は、決まって過剰サービスの日です。
自然の精霊たちが、
「これも食べて、これもどうぞ。」と持ってきます。
「もうおなかいっぱいだよ~」
「いえいえ、どうぞどうぞ。これもどうぞ。」