皆様のおかげで、
ペロルは1月16日で
19歳を迎えました。
お正月に引き続き、
めでたいことが続きます。

アッと気が付くと、
19年も経っていました。
まるで玉手箱状態です。
福岡市の南区にあったつみきやペロルから独立して、
教室スペースを兼ね備えた店舗をさがしてこの地にやってきました。

それまで店はほとんどつみきやさんに任せっきりで、
商売を習ったわけではなく、
大変不安でした。
でも、開店時には多くの方に手伝っていただき、
開店後も皆様に支えていただき、感謝の言葉しかありません。

時々、お客様から感謝の言葉をいただくことがあります。
つくづく、店をやって良かったな、
と思う瞬間です。

最初のころは無我夢中で、店の誕生日さえ忘れていました。
「継続は力なり。」
という言葉がありますが、
一日、一日を積み重ねていくことで、
今に至った感じです。
この19年間で商品の種類がたくさん増えました。
皆さんに、「すごい数の商品がありますね。」とよく驚かれます。
店のスタッフたちは大変だと思います。
時々、お客様から、
「こんな商品はありませんか?」
と問い合わせを受けることがあります。
もちろん、「ありません。」とお断りするのは簡単なのですが、
ついつい、「それでは、作ってみましょうか?」と言ってしまいます。

そうやって、生まれた商品はたくさんあります。

ペロルマリンバもお客様から「ペンタトニックの大きな木琴はありませんか?」
という問い合わせを受けて、その当時なかったので、作りました。
音盤の調音の理屈はだいたいわかっていました。
ただ、いざ自分で作ると、今まで想定していなかった問題に行き当たり、
予定していた手間の数倍かかってしまいました。

トーンチャイムもお客様からの要望で始まりました。
個人的には、すでに作ったことがあったので、簡単に考えていましたが、
正確に音を合わせていく段階で、
パイプの持っている誤差の影響で、
調音が定まらないという問題が起きました。
また、調音する段階で管を削るため、
管の温度が上がり、
冷えると音の高さが変わる、
という現象にも悩まされました。
ほんの少し削っただけでも、
変化が起きてしまいます。
もちろん、気が付くほどのくるいではありません。
1ヘルツの10分の一の単位での微妙な世界での話です。(言い訳+少々の自慢)

これまで一番苦労したのはクロッタづくりです。
ぜひとも作ってくれと注文を受けたのはいいのですが、
ギターやチェロなどの弦楽器を作ったことがなく、
クロッタの現物を借りてコピーしたのですが、
(制作者にはコピーのお許しをいただきました。)
材料を手に入れるところから大変でした。
それゆえに、完成してきれいな音が出たときには、
感動で心が打ち震えました。

こうやって作っては、商品としてHPに掲載していきます。

そうして、どこにもないようなオリジナルの商品が増えていきます。

大変時間と労力がかかる作業ですが、
これらの楽器を作ることの利点がいくつかあります。
もちろん、作ってみたいという衝動が最初にあるのですが…

まず、実際に作ると、その構造だけでなく、深い原理が分かります。
完成品をつぶさに観察してもわからない事柄を発見していきます。
それは、内側から世界の真理とつながっていく感じがします。

次に、簡単だと思っていたことが
かなり大変だということが身にしみてわかり、
そういう物や作っている人たちに対する尊敬の念が生まれることです。
そして、自分自身が謙虚でいることができます。

欠点は、いらない道具や材料が増えることです。

これを使ったらいいかもしれない、
とためしに買ってみて、使えないものが沢山たまってきます。
材料が少量で買えない場合、
たくさん買った残りの材料もたまってきます。

それにしても、ありがたいのは注文していただく方々の信頼です。

まだ形になっていない物を信頼して注文していただく方々のご期待に応えられるよう頑張りたいです。

これからも、商品開発に限らず、
いろんなことに挑戦していきたいと思っています。

よろしくお願いします。

2023/1/20井手芳弘

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です