こんなに引っ張るなんて考えてもみませんでした。
こうやって深みに入っているのかもしれません。
様々なドラマを生み出しながら、空のショーは終わりを迎えます。
パチパチパチ。
「ブラボー!」「ブラボー!」
周りから絶賛の拍手の嵐です。
もちろん、周りの人たちは、何もなかったかのように寝ています。
下の世界は闇のベールに包まれていきます。
アンコールも終わって、
あたりは急に明るくなったかと思うと、会場はまた暗くなります。
えっ!?とその暗がりの中を眺めてみて、びっくり。
暗がりの中、雲の隙間からうかがい知れるのは、真っ赤な地上でした。
それは、あたかも天界からみた地獄のようでした
(地上の皆さんすみません)。
下が闇に覆われ、
光が下の空気が濃密な世界を通してやってくることで、
真っ赤になっているのです。
飛行機はしだいに、この闇の世界に向かって降りていきます。
何が待ち受けているのでしょうか?
そう、幻日現象と暈現象がいまだに現れてきます。
突然、飛行機はこの闇の世界へと突入しました。
そして、いきなり太陽の色合いが変わったのです。
それまで、真っ白だった太陽が、突然オレンジ色に変わったのです。
それは想像だにしていませんでした。
だって、それまで真っ白に輝いていたものが、オレンジ色に変わるんですよ!
ありえない話です。
この事は、何か大切な意味合いを含んでいるような
気がするのですが、今の私にはまだわかりません。
長い、長い時間でした。いや、とても短い時間だったかもしれません。
長ーい、長ーい、アンコールでした。
こんな素晴らしいことはなかった。
思い返しながら、暖かい気持ちになりながら、家路をたどるのでした。
* * *
追記
もうこれ以上訪れないだろうと思っても、
つねに窓の外を眺めていること。
決してあきらめないことが大切です。
この出来事から一週間ほどして、
また素晴らしい夕暮れの中を飛ぶことが出来ました。
なんと美しい色合いなんだろう。
どうしてこのような美しい色のコンビネーションが生まれてくるのか、
驚くばかりです。
と、私はここであることに気が付きました。
このことは、また機会があればお伝えしたいと思います。
これまでずっと雲を観察してきたご褒美でしょうか?
これは、それから一週間ほどたった日のことです。
また現れてしまいました。今回は雨だし、
カメラを持っていくのはやめよう、と思ったのですが、
気を取り直して持っていきました。
ほら、やっぱり何もない、
とパソコンを打ちながらふと外を見て、びっくり仰天!
美しい環水平アークが目の前に広がっているではありませんか!
今までに見たこともない情景です。
ずっと、ずっとついてきてくれました。
なんという美しさでしょうか。
ここで、わたしは前の雲の美しさの時に
気が付いたことを更に進めることが出来ました。