暑い夏が過ぎ去っていきました。
暑かったです。
というか、いまだに日中は33℃です。
ほとんど真夏と変わりません。

「秋だ」という気分が、この暑さを
秋の日差しの心地よさに変えているのでしょうか?
なんだかしんみりとしてくるのは
やはり季節が移ったせいでしょうか?

キャンプファイヤーやバーベキューなどの
華やかなものは似合わなくなり、
サンマや干物などを七輪でぼっちりと焼きたくなります。
外側に向かっていた意識が、
内面に向かっているのを感じます。

シュタイナー教育の発案者である
R・シュタイナーも『魂の暦』の中で、
同じようなことを語っています。
秋になって内側に意識が向かうのは
人類共通の意識かもしれません。

秋になり、夏の体験を思い返すようになります。
それにつれて、夢を見る回数も増えたように思います。
というか、より覚えているようになっている、
ということでしょうか。
といっても、
ついさっきのことを忘れるようになってはいます。

最近見た夢は、空を飛んでいる夢と
ごみを置きっぱなしにして注意されている夢でした。
夏の体験と何らかの関係があるのでしょうか?

年をとったせいか、
夏の記憶を通り越して人生を振り返り、
しんみりしたりします。

思い返して見るに、
皆さんに育ててもらったな、ということがたくさんです。
今でもまだ十分には育っていないのですが…

実は、自分が怠け者であるということに、
ある時、はたと気が付きました。
それは知り合いを訪ねて
中国の大連に旅行に行った時のことです。

中国の大学で日本語を教えていた日本人の青年が言いました。
「私は怠け者なんです。」
「ハイ?」
彼はオーストラリアの大学を出て、
それから中国で日本語を教えています。
どう見ても、かなりの働き者です。
「どこがですか?」
と訊くと、
「生来怠け者なので、
自分をせざるを得ない環境に入れてしまうのです。」
「何にもしたくなくても、水に落ちたら、
おぼれないように必死におよぐじゃないですか。」
「そんな感じです。」
「な、なるほど!」
<怠け者はそうせざるを得ない環境に自分を落とし込むことで、
仕方なく怠けることから抜けられるのだ!>

目から鱗でした。

そして自分を振り返って、自分が怠け者である、
ということに気が付きました。
水に落ちたナマケモノが
一生けん命に泳いでいる姿が目に浮かびます。

それまで、自分は働き者だと思っていました。
休みなくひたすら働いてきたからです。
「自分ほどの働き者はいないだろう!」
と自負していました。

このつれづれにしても、
毎月二回書き続け、467回を迎えています。
誰が見ても、正真正銘の働き者です。

「えっ?」
「な・ま・け・も・の??」
自負がガタガタと崩れ落ちてしまいました。

・・急便で朝早くから夜遅くまで働いたのだって、
ドイツに行ったのだって、
その環境に自分を入れることによって
頑張らなければいけないように
仕向けていたのに気がつきました。

そして、これまでひっきりなしに
周りから課題を与えていただいたことに気が付きました。
なまけないように天使が与えてくれたのでしょう。
感謝です。

さらに良いことに、
仕事の難易度とかかる時間を
過少に見積もってしまう傾向があります。
簡単に終わるだろう、と軽い気持ちで初めて、
一生懸命にやらなくてはならないことが多々あります。

極めつけは、
<やったことないけれど、どうなるかやってみよう精神>
です。
初めから大変さが分かっていれば、
手を付けなかったかもしれません。

こうやって、見積もりが甘いために
自分の能力以上の力を出さざるを得なくなるわけです。

おかげで、なんだか成長したように思います。
見積もりの甘さは相変わらずですが。

秋になり修行に最適な季節になりました。

早く仕事を終わらせて、
温かい水行をしに行かなければなりません!
火の行もしなくてはなりません!
月も拝まなければなりません!

早くその環境に自分を入れ込まなくては…

2023/9/15 井手芳弘

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です