ここのところいい天気が続きます。
良い天気だからというわけではありませんが、
今月は出かけることが重なりました。
その中の一つは、
広島で開催されたライアのコンサートです。
「各地からライア愛好者や演奏者が集まるので、ぜひペロルのお店を開いてほしい。」
という要望を受けて出かけていきました。

広島を訪れるのは3回目ぐらいです。
新幹線で博多から1時間ぐらいの距離で、
改めてその近さに驚きです。
会場は広島駅から市電で3駅ほどの近さの日本福音ルーテル広島教会でした。
ビルの2階でしたが、立派なホールがありました。

そこで、たくさんのライア愛好者の方とお会いすることができました。
当店からライアを買っていただいた方々とも直接お話しすることができました。

素晴らしいコンサートを堪能した後、
最後に欠かすことのできない、広島風お好み焼きを食べました。
お店のメニューには『広島風お好み焼きとは書いてありません』
やはりです。
<ご当地では、○○風とは呼ばない>
という私の持論はここでも証明されました。
ちゃんとキャベツのみじん切りと焼きそば麺が入っていましたので、
広島風には間違いありません。
ちょっと驚きだったのは、焼きそば麺とうどん麵が選べるところでした。
「えっ?」
「広島風お好み焼きって…焼きそば麺じゃ…」
やはり、その食文化を生み出したところでは、
その文化を変えていく力があるようです。

その次の日は、忠海(ただのうみ)という小さな港に行きました。
ウサギの島として有名な大久野島への船が発着する場所で、
船着き場の代表の方とお話をしてきました。
誰かがその島にウサギを連れてきて放したものが
繁殖して増えていったそうです。
島には、休暇村の施設があるだけなので、
だれもウサギの被害を心配する必要もありません。
ウサギたちものびのびしていることでしょう。
ある時、外国の方がSNSか何かで紹介して大ブレークしたそうです。

日本のシュタイナー学校を卒業されたその方は、
大学の英語の常勤講師もされているという、
超マルチな方で、渡船場の建物のデザインから、
カレンダーや写真集のデザインもされていて、
ただただ頭が下がる思いでした。

日曜日のせいか、渡船場の建物の中は
たくさんのお客様でごった返していました。
ほとんど若い方で、半分は海外の方々だったように思います。
責任者の方は
「いつもの日曜より少ない方だ。」
と言われ、
いったいどれだけの人たちが訪れるのだろう、と驚きを隠せません。

次の週は直島研修旅行でした。

「は~ん!」「また研修という名の…ね!」
という声が、どこからともなく聞こえてきそうですが…、
今回は、正真正銘の非の打ちどころのない研修旅行です。
なぜなら、案内役として教室の参加者を導く役割だったからです。
(今までのだって、れっきとした研修旅行です!)

らせん教室という大人の方々の教室の初めての研修旅行で直島へ行きました。
岡山駅から瀬戸内海の方に向かったところにある島で、
芸術の島として有名な島です。
そこには、
私が大変信奉している光の芸術家である、
ジェームス・タレルの作品があります。
それを皆さんと体験してきました。

以前に2回ほど訪れた島ですが、
以前と比べ、
はるかに観光客の数が増えていていました。
そして外国の方の割合が格段と上がっていて、
まるで外国に来たような錯覚を覚えました。
ジェームス・タレルの作品がある地中美術館はネットによる事前予約が必要で、
町プロジェクトの一つである南寺も
当日予約が必要です。

今となれば、当たり前のようなことですが、
20年ほど前に訪れたときは、
フリーに並び入れていました。

「超有名なミュージシャンが駆け出しのころを俺は知っているんだぞー!」
「小さな場末の会場で、観衆もまばらだったんだ…」
のような優越感につい襲われて、
「前来た時にはね~」
「人もすくなくてさ~」と自慢したくなっている自分がいます。
この島も、大久野島以上に海外の方の割合が高いので、
海外疑似体験をしたいのであれば、おすすめな感じがあります。

参加者の方々を非日常の体験へと導き、
皆さんと別れた後、
次の日単独で隣の豊島(てしま)にある豊島美術館を訪れるために、
直島に一泊しました。
直前に思い立ったため、
また、土曜日の宿泊のため、
宿はどこも満杯でしたが、
ゲストハウスのドミトリーのベッドが一つだけが幸運にも空いていました。

オーナーの勧めで、アート作品の一つである
『アイ・ラブ・ユー』という銭湯にいきました。
なんとなく親近感を覚えるのは、
私のおやじギャグと似たものを感じるからでしょうか?

お風呂の中は大きな象の像を始めとして、
異国情緒たっぷりに飾られています。
お風呂に入っている人はというと
外国の方だけ、
まさに異国の湯につかったあと、
「さあ夕食!」と歩き回れども、
どこのお店も満杯です。

「とんとんとん、宿屋さん。」
「どうか一晩泊めてーください。」
「どこのお部屋も満杯です。」
「困った、困ったどうしましょ。」
「馬小屋ならば、空いてます。」
「馬小屋でも構いません。」
子どもたちの聖劇の場面が思い出されます。

「困った、困ったどうしましょ。」
「コンビニならば空いてます。」
「よっしゃ、コンビニだ~!」

島で唯一のコンビニで夕ご飯を買うと、
バス停のベンチで、
昇ってきた満月のお月様と木星を眺めながら、
美味しくいただきました。
コンビニの周りも、
ベンチを通り過ぎていく自転車も、
ほとんど外国の方々です。

「私はどこの国にいるの?」

不思議な体験でした。

2023/11/03 井手芳弘

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