銀鏡神社の神楽にやって来ました。
毎年12月14日から15日にかけて行われています。
ちょうど時間が取れたので久々出かけてきました。

この神楽については以前もこのつれづれで書いたことがあります。
銀鏡と書いてしろみと読むこの神社は、
宮崎県の西都市のはずれ、
西米良村との境の山奥深くにあります。
西米良村だとずっと思っていたら、
西都市でした。

秘境ということでは、村の方がかっこいいと思うのは私の身勝手でしょうか?
私の住んでいるところも村から市になりました。
少し残念です。

あいにくの雨模様だったので、
雨でも行われるか気になって
ネットで調べてみました。
雨天決行と書いてあり一安心。
ネットは便利です。

もう一つ便利になったものがあります。
それは、ナビです。
以前来た時には、地図を頼りにやみくもに走り、
「本当にあるんだろうか、こんな山の中に?」
と心細さの中、灯りと、太鼓の音が聞こえてきたときは、
安堵でついニンマリとしてしまいました。
心のどこかに、
「ひょっとしてタヌキやキツネたちの宴会ではなかろうか。」
という一抹の不安を抱えながら…

今はナビを頼りに、全く不安なく走っていけます。
でも、その分<秘境にたどり着いた!>
という感覚が薄くなった、
と感じてしまう私はわがままでしょうか?

福岡から高速を走り、2時間ほどかけて人吉まで走ります。
そこから下道で後2時間です。
やはり秘境です。

真っ暗な山道をひた走ります。
ほとんど車とすれ違うことはありません。
出会うものと言えば、道路端で立ち尽くしているイノシシ、
飛び出し横断する鹿、
前に佇むハクビシンぐらいです。

だいぶん走ったところにタイムトンネルがあります。
銀鏡神社に行く結界です。
ここを通過するといよいよ異世界に入っていきます。
今回は気分に余裕があるので、車を停めてタイムトンネルの撮影です。
スマホではなかなかいい感じに撮れません。
一眼レフカメラの登場です。
適当にシャッタースピードを調整していい感じに撮れました。

撮った後、いよいよ
「タイム、トンネル!」です。
昔、テレビでやっていました。
「タイム・トンネル!」というフレーズと
白黒のストライプのトンネルの映像が
はっきりと記憶に残っています。
内容はすっかり忘れました。

トンネルの中に入ります。
ずっと続くストライプのあまりのすばらしさに、
車を停めて、電気を消してみます。
ついでに、車から離れて撮影です。
車が来ないか、前後を確認しつつのスリリングな撮影です。

車がほとんど通らない秘境のトンネルだからこそ、できることです。
撮ってみて気が付いたことですが、
先日インスタに投稿した画像と似ているな、と思ってしまいました。

トランスパレント絵でずっと続く教会の回廊を作りました。
地面の場所がなく間延びしたので、
ふと、下を水面にすることを思いつきました。
いい感じになったので、写真を撮ってあげてみたのです。
あれよ、あれよという間に今までの最高をはるかに超えて倍ぐらいになってしまいました。
いいね!の数などまったく気にしない私ですが、ニンマリとしている自分がいます。
その後、プレッシャーで投稿できていません…

トンネルを超え、異界に入り、やっと目的地に近づきました。
遠くから灯りがみえてきました。
曲がるところに案内の人がライトを持って案内をしてくれています。
以前はだれもいませんでした。

橋を二つほどわたり、案内されたのは学校のグランドです。
今年は、コロナも開けたこと、映画になったことでより訪れる人が多いとのこと、
車を停めて、会場まで歩きます。
道のりをすっかり忘れています。
というか、以前はここの駐車場ではなかった気がします。

会場に着くとたくさんの人だかりがしています。
いつもの接待の部屋も閉まっていて、
どうなっているかさっぱりわかりません。
恐る恐る係の人にきくと、
「後で開きます。」とのこと、
早速初穂料をはらい、
しばらくすぐそばの休息所で待つことに。

休息所の中は、一人の人が寝ている以外はみんな場所取りをして不在です。
場所取りのための寝袋以外になんとカバンが置いてあります。
つくづく平和な日本でよかったな、
と思います。
海外であれば、なくなっているか、爆発物の可能性で撤去されるところです。

しばらくして、部屋に着くともう人でいっぱいです。
お弁当をいただき、お神酒(なんと焼酎)をいただき、
隣にいたご婦人と話を始めます。
辺りは宴会場と化しています。
その向こうでは神楽が静々と舞われています。
なんだか、とっても自然な感じです。

この地域の人たちは、一年を神楽とともに暮らしているのでしょう。

2023/12/15 井手芳弘

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です