新年早々、店のプリンターが壊れました。
レーザープリンターを予備に用意していたのですが、
印字が薄くてあまり使えません。
買った某○○電気に持っていったところ、
保証期間が切れているので、
修理には一律17000円かかると言われました。
結局、同じインクが使える、
ほとんど同じプリンターを26000円ほどで買いました。
壊れたプリンターは、
「もったいないなー、他の機能はつかえるのにな~」
と家に持ち帰りました。
そして、
「やはり修理に出してみようか?」
「廃棄ゴミが増えるだけだもんな~」
と思案中です。
どこかで見た、ゴミの山で金属をさがす海外の子どもたちの姿が浮かんできます。

以前、とても安いプリンターがありました。
そのプリンターは新しくインクを買うより安かったので、
インクが切れては買いました。
3台ほど買って、
自分のやっていることに違和感を感じ、止めました。

最近、エアコンが壊れました。
保証期間が切れた後でした。
電気屋さんに確認してもらったところ、
「ガスが抜けてきていますね。」
とのこと。
「ガス漏れのチェックをして、ガスを入れると直ると思います。」
「3万円ほどかかるか、と思います。」
「最近のエアコンは省エネタイプで、
ガスの量も半分ぐらいで済みますし、
電気代もお得です。」
といわれました。
なぜか、
「これまで、暑い中頑張ってくれたんだよな。」
と今までのエアコンに同情してしまい、
つい、
「カツをいれて、いや、ガスを入れてください。」
と言ってしまいました。
多分、経済効率を考えると、新しいエアコンがお得かもしれません。
きれいだし…
でも、「できるなら、全うさせてやりたい。」
と考えている方が楽な気がします。

グリム童話の『年寄りのズルタン』
というお話を思い出してしまいます。
お百姓さんのために一生懸命に働いたズルタンという犬が
年を取って、のんびり余生を楽しもうとしていたところ、
お百姓さんが、「役に立たないから殺してしまおう。」
と話しているところを耳にして悲しむお話です。

自分と重ねてしまっているのでしょうか?

他の人が、すぐに捨てて、新しいものを買っても、
非難するつもりはありません。
「むしろそちらの方がいいかも。」
と思ってしまいます。

私の親は、とにかく物をため込んでいました。
近所のおうちでは、
石油ショックの時におじいさんが買ったトイレットペーパーが
いまだに大量に残っているそうです。

その性分を受け継いでいるのかもしれません。

私の好きなことの一つに修理があります。
何か壊れたものがあると、
つい修理してみたくなり、分解してしまいます。

子どもたちによく、
「なんしよっと?」
「そぎゃんかことに、無駄な時間使って。」
といわれました。
長い時間と労力をかけて取り組んだ挙句、
ギブアップすることがほとんどです。
あきらめきれず、そのまま積み上がっています。

最近は、修理の動画を見ることに時間をかけてしまっています。
ボロボロになったバイクを新品のように修理していく過程など、
見ていてたまりません。
たぶん、かける労力と時間を計算すると、
とてつもないものになるのでしょうが、
こうやって見ている人たちに喜びを与えてくれています。

私のこういう性分も役に立っているところがあります。

その一つに楽器の修理があります。
ペロルには楽器の修理の依頼がよくあります。
水没したライアが届いたこともありました。
お客様には、
「修理代が高くなるので、新しいものを購入するか、
中古を探された方がいいかもしれません。」
と伝えます。
(自己矛盾を起こしています)
「大切なものなので、修理してください。」
と言われると、俄然やる気が出ます。
どうやって修理したらいいか考えます。
そして、修理するための道具をネットから注文します。
道具代の方が高くなることがありますが、
後で使えるかもと納得させます。

修理が完成した時の喜びは何事にも代えられません。
唯一自分を褒められる瞬間かもしれません。
「俺って、天才!」
とニンマリしている自分がいます。

先日、浴室の鏡磨きに挑戦しました。
浴槽用洗剤で洗ってみましたが取れません。
次に、キッチンペーパーを鏡に貼り付け、
トイレ用のクリーナー(塩酸入り)を染み込ませて、
時間を置きました。
塩酸で、石灰成分を落とそうという作戦です。
「フ、フ、フ、こんなの簡単さ~♪」
ペーパーを取り、クレンザーで磨いてみます。

「俺にかかればいちころさ~♪」

取れません!

クレンザーを大量に使い必死で磨きます。
取れません!!
「こ、こんなにしぶといとは…」
なめてかかっていた、表面のうろこ状のものが
「フフフ」
と不敵に笑っています。

戦いの幕が切って落とされました。

作業用のプロの研磨電動器具にクレンザーを付けて磨きます。
ウィンウィンウィン
「どうだ~!」
水を掛けるときれいになりました。
ところが、乾くと…
「フフフ」
あの笑い声が聞こえてきます。

完敗です!

仕方なく、ネットに助けを求めます。
「なになに、酸化セリウム?!」
ネットは本当に便利です。

次の日、
日曜大工の店に酸化セリウムを買いに行きました。
店員の方は「???」です。
昔、田舎の文房具店のおばさんに、
「HOゲージの鉄道模型の台車(部品)が欲しいんだけど。」
と言ったときの記憶がよみがえります。

仕方なくネットショップで購入することに。
ネットは本当に便利です。

商品が届くまで、戦いはお預けです。
楽しみ、楽しみ!

2024.01.19 井手芳弘

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