暑い日々が続きましたね。
みなさん、いかがお過ごしだったでしょうか?
いろんな思い出ができたのではないでしょうか?
私は、今年の夏はあまり出かけることなく
仕事にいそしんでいました。

唯一出かけたのは、
滋賀県の大津市で行われた大会に出店したぐらいでした。
4年ぶりの開催で、
懐かしい顔ぶれの方々と再会することができました。
残念ながら、
台風の接近のため自己研修もできず、
早々に引き上げました。

それと教室のキャンプで久住に行く機会がありました。
阿蘇の広大な外輪山の丘陵地が広がるところで、
外輪山の北のすそのには九州最高峰の九重連山がそびえています。
雄大な景色が広がるところで、
出かけていくと気持ちがスーッとします。

霧もよく出るそうで、
キャンプの朝早く雲海を見に行ったときは、
外輪から火口(と言っても中に田んぼや町がある)
へ雲海が下りていく様子が見られました。

たくさんの方々が立派なカメラを据え付けてその様子を撮影しています。
まるでアイドルを撮影しているようです。
そのような現場に顔を合わせたのは初めてだったのですが、
皆さんが、みな親しそうに話をされている様子に驚きました。
まるで、犬の散歩の現場のようです。

同じ趣味を持つ人たちはすぐに仲良くなっていくのでしょう。
そんな中で、「押戸石のところは、霧に覆われたらしい!」
「大観峰も霧で何も見えなくなったようだ!」
との会話が飛び交っています。
この方々は仲間でいろんな場所に陣取りながら
シャッターチャンスを狙っているようです。
別の場所に陣取った方たちの残念そうな顔が思い浮かぶようです。
知らない別世界の人々のかかわりを垣間見た気がしました。
それぞれのいろんな世界があるのでしょう。

この、阿蘇の外輪は私の好きな場所で、
暇さえあればこの場所に行きたくなります。
富士山の裾野とは違って、ほとんど家もなく広大な丘陵地帯が広がっています。
ゴールデンウィークや休みの日にはたくさんの人々が訪れる場所です。

ただ、最近不思議な感覚が芽生えています。
素晴らしい風景が広がるところは、
確かに感動するわけですが、
その素晴らしい風景が自分の中の深いところに
印象として残っていかない気がしています。
うまく説明できないのですが、
その風景の中に自分の居場所がないというか…

素晴らしいコンサートを聴いて感動はするけれど、
ずっとそこにはいられないというか…

そんな阿蘇の外輪の中で、
不思議と自分が深く風景の中に入れる場所があります。
雄大な場所と比べるとそこまでではないのですが、
ずっと昔の懐かしい夏とつながるような、
風景が永遠の世界につながっているような…

この違いは何なのだろうと考えてみました。
広大で眺めがいい場所は観光スポットでたくさんの人々が訪れます。
所々に、お店屋さんもあります。
ただ、そこには人々の日常的な暮らしがありません。
そこに広がる風景は私にとって少し距離があるようにも感じます。

それに対して、気持ちが広がっていく場所は、
観光用の施設はなく、あるのは牧草地と畑です。
そこにいるのは、ほとんどが放牧や大根を作っている農家の人たちで、
訪れる人はほとんどいません。

気持ちが開かれるのは、
多分、そこには観光目的の建物や気持ちが無く、
自然な暮らしがあるからかもしれません。

良くはわかりませんが、
そういう自然な感じのものに触れていけたらと思います。

そのために、
もっと自分をしっかりさせて、
部屋を整理して、仕事を片付けて、
時間を作って、
秋の揺れ輝くススキのそばを、
風を感じながら歩き、
冬の結晶のようになったススキのそばを、
肩をすくめながら、
白い息を吐きながら
歩きたいと思います。

そのあとは露天風呂だ!

2024/09/06 井手芳弘

つれづれ490 阿蘇の外輪の気分」への2件のフィードバック

  1. 様々な景色が心に広がって、最後はなんだか不思議な気持ちになる今回のお話でした。
    この感じはなんだろう、とぼんやり味わっています。
    ところで、阿蘇で見たススキがあまりにきれいなので、しかも大量に生えていたので、これを食べたり加工したり何か有効活用できないのか?とネットを調べたら、ススキの穂に含まれるケイ素でガラスを作った学生の話が出てきて。えっ!ガラスや水晶と同じケイ素⁈どおりであんなにキラキラしてる訳ね!触ると結構かたくて痛い理由もそれか!と思ったことを思い出しました。結晶、という表現に嬉しくなりました〜。
    これからもブログ楽しみにしています♪

    1. すどうさま、
      つれづれを読んでいただきありがとうございます。
      冬のススキの原は風の音も硬くて心が引き締まる感じがします。
      秋に農家の人がススキを大量に刈っていたので、何に使うか聞いたところ、
      京都のわらぶき屋根の葺き替えに使う、とのことでした。

      ペロルいで

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