今回は、ライア100周年世界大会の様子をお伝えしたいと思います。
また、この度の熊本地震で亡くなられた方々のご冥福と、
被害に遭われた方々の一刻も早い復興をお祈りします。

7月22日に暑い福岡を飛び立ちまた。
ドルナッハのゲーテアヌムで開催されるライア大会に行く前に、
いつものように、まずザーレムライア工房に向かいました。
今回は中国東方航空という、上海経由のロシア上空を飛んでいく飛行機で向かいました。
航空運賃が安いのと、飛ぶ時間が短かく、朝早くにチューリッヒに着くので便利です。
おまけに、横の席2つが空いていたので、横になって眠ることができました。
ファーストクラス並みのサービスでした。

ニーダー氏のところにお邪魔して数日過ごした後、
キャンピングカーでドルナッハへ向かいました。

3時間以上かけて下道を走り、何とかドルナッハのゲーテアヌムに到着しました。
その間、3回ほど国境を越えました。
ドイツとスイスが入り組んでいるため、日本では想像できないような経験です。
ちなみに、ドイツの高速道路は無料ですが、
スイスの高速道路は有料で、1年分の通行料金を前払いしなければなりません。
そのため、年に2回ほどしか利用しないニーダー氏にとっては高額すぎるので、
下道を走ることにしました。
会場に着くと、すでにたくさんの方々が来られており、
ライアの展示会場にも数多くのライアが並んでいました。
早速、積んできたライアを運び込み、展示します。
会場には、おなじみのコロイ、アウリス、レーマン、グンドルフ・キューン、マーティン・ニースなどのほか、
初めて見るメーカーのライアも展示されていました。
皆さん、嬉しそうに挨拶を交わしています。

私は、日本から来られた方々へ『人類の代表』というシュタイナー制作の彫刻を案内した後、
オープニングの全体会が開かれる大ホールへ向かいました。
このホールは、ゲーテの『ファウスト』や神秘劇、オイリュトミー公演などが行われる、
ゲーテアヌムの中心となる場所です。
ホールの両側の壁には大きな色ガラスのステンドグラスが並び、
天井にはヴィンター氏も制作に携わった天井画が描かれています。
世界中から400名を超える参加者が集まり、会場は熱気であふれていました。
そんな中ギーリッシュ氏の挨拶から始まりました。
今回はアジアからも多くの方々が参加し、その中でも日本からは100名を超える方々が参加されました。
福岡からも20名ほどが参加されました。
各所で開かれたミニコンサートでは、宮沢あけみさんによる十二星座の歌、
福岡グループのコンサートにも参加させていただきました。
いずれも、たくさんの方々が聴きに来られていました。
また、夜のコンサートでは、日本を代表する約30名の方々による演奏を聴かせていただきました。
大ホールの会場からは惜しみない拍手が送られました。
他の方々のミニコンサートには残念ながら参加できませんでしたが、
多くの方々が足を運ばれたことと思います。
私が参加した分科会は、ライア制作者の会でした。
1日目はコロイを代表してエリック氏が音の響きの実験とコロイライアの歴史を語っていただきました。
2日目には、クーン氏の講座とトビヤッセン氏によるライアの弾き比べのワークが行われました。
私のライアもニーダー氏が大型ソプラノを持参していなかったため、ザーレムライアの響きとして登場させていただきました。
いろんなライアの響きを体験できる、とても貴重な機会でした。
ニーダー氏も3日目に講演を行い、ライア誕生の歴史を実際の楽器を示しながら説明してくださいました。
その多くをニーダー氏ご自身が所有されており、改めて驚かされました。

また、ライア制作者と演奏者との対話の会が大ホールで開かれ、
なんと私も制作者の一人として舞台に上がり、自己紹介をさせていただく機会をいただきました。
それぞれのライアを前に置き、自己紹介をした後、
トビヤッセン氏が一台ずつ短い即興演奏をしてくださいました。
続いて会場からの質問を受け付け、
その後は制作者側から演奏者への要望も語られました。
会が終わった後、私はトビヤッセン氏に、
「製作者と演奏者の間に立ち、お互いをつないでいただき、ありがとうございました。」
とお礼を伝えました。
すると、
「お前のライアは、とてもいい響きだった。」
と言っていただき、思わず涙がこぼれそうになりました。

大会の最後は、ライアの演奏と子どもたちの歌で締めくくられました。
その響きと歌声が美しく調和し、とても深い感動を覚えました。
それは、まるで自然の背後から聞こえてくるような響きでした。
子どもたちの歌声は未来へ続く希望を感じさせてくれ、
あらためて子どもたちを未来へつないでいくことの大切さを実感しました。

大会を通して、たくさんの人々と出会うことができました。
ゴングを作っているゲオルグとも懐かしい再会です。
日本人の方々ともたくさん出会うことができました。
そして、多くの方々に私のライアを演奏していただくことができ、
とても嬉しかったです。
なによりも、このドルナッハ近郊で生まれたライアの衝動が世界中へ広がり、
多くの人々に受け継がれていることの素晴らしさを強く感じました。

これから先も、この流れを自分の課題として受け継いでいくことを、
あらためて確認することができました。
2026年8月7日 井手芳弘
