もうオタク的なことについて書くのはやめようかと思いましたが
そう思った矢先にとんでもないものが私に、まだあるぞ、まだあるぞと見せてくれて、
オタクでないタクシーの運転手さんもすぐに見つけてくれたのでやっぱり書くことにしました。
それは、東京に飛ぶ7月18日の朝、不安に駆られながらもタクシーを待っていたときのこと、
朝6:30ごろ、にわかに薄い雲が色づいてきて、次から次に色づいて、私の出発を祝ってくれました。
ついついたまらずにパチパチと写真を撮ってしまいました。
だって、ずっと彩雲を見続けていたのに、このときほどはっきりと、美しく出たのは初めてだったからです。
ほとんどの彩雲は玄人でないとわかりにくいくらい淡い色づきなので、
その場所を指し示しても、ほとんどの人はそれを見ることができません。
でも今回だけは違いました。それはそれは美しいもので、身の回りにまだまだこんなに、
いやこれほどまでに、すばらしいものがあるとは世の中そんなに捨てたものでもないと思います。
でも、これらの現象が頭の上で起こっていても、ほとんどの人はそのことに気がついていません。
ということは、私が気づかない間に、すばらしい何らかの現象が起きているかもしれないわけで、
これから先も、新たな現象に出会えるかもしれないと思うと楽しみです。
この彩雲現象については、また気が向いたら、このコーナーでお話したいと思います。
さて、夏休みは、私にとっては、普段会わない人や子どもたちと会う機会です。
今回は、夏休みが始まると同時に狛江の一年生の子どもたち、
それから大人の方たちと講座を共にしました。
そして、4、5日おいて今度は子どもたちとの合宿をやりました。
この狛江の講座は数年前からの付き合いで、
そこで熱心に活動されているSさん
(名前を出したほうが良いかどうかわからないのでとりあえず)との出会いから始まりました。
Sさんはとても活動的で実践的、かつ、いろいろな人たちとの関係をつなぐ創造的な方で、
そういう人の周りにはやはりそういう人々が集まってきます。
昨年は東京都民の森の近くの桧原村で4日間かけて家作りをしました。
雨が続く悪天候の中たいへんな思いをしながら全員が一丸となって、
森の中に大きな家(小屋?)と上学年の子どもたちはそれぞれの家を建ててしまいました。
本当に建ててしまった、という表現が適当なほど、大変な思いをして作り上げました。
午前中は私の授業と田村先生の水彩の学び、午後はとにかく家作りに励みました。
そして、できあがったメインの家の中で焚き火をし、
その中で40人ほどの子どもたちが古谷さんという語りの方のお話を聞きました。
今年は、奥多摩の日原というところで3日間の合宿を行いました。
ここには険しい山、きれいな川、鍾乳洞、巨樹など、自然が豊富なところです。
そこで、午前中に堀先生、田村先生、私の三人による学びの後、
午後からは、鍾乳洞の中の真っ暗闇、山登り、巨樹ツアー、焚き火、
カムイの火の儀式(カムイノミ)などの体験を行いました。
食事はすべて、そこに参加している子どもたちのお母さん方が
マクロビオティックの食事を作っていただくという贅沢なものでした(昨年もそうでした)。
今年の分は残念ながら写真がありません。
日々の教室で子どもたちに、大人の人たちに育てていただき、
このような特別講座に臨むことができるのですが、
この狛江の特別講座では、夏の特別企画ということもあり、
スタッフの方々も創造的で柔軟なので、いつも私が普段考えないし、
やったことのないような水準の高いことに自分自身が取り組めて、とてもいい機会になっています。
合宿が終わった次の日から、シルクスカーフに絵を描く講座、ライア作り講座、
アルゴー船の合宿と続き、なんとか今日までたどり着きました。
そんな中で、普段の教室も含めて感じることは、お母さん方がとても熱心に活動されていて、
そんな中に包まれている子どもはとても幸せだろうな、ということです。
子どもに、「ああしなさい、こうしなさい。」と指図ばかりするよりも、
子どものために皆で何かを作り上げていくというその行為そのものが
子どもたちにとって一番いい教育になるのではないか、と思います。
現に、そういうところに来ている子どもたちは、表面的にはとても腕白だったりしますが
本質的にとてもいい子たちです。
そのために、私のほうで何らかのお手伝いができれば、といつも思います。
そして、講座が終わった後、子どもたちの表情、
そしてその表情に射しているその子たちの気持ちが思い起こされて、
なんともいえない気持ちにさせられ、また頑張ってみようという気になります。
2004.08.06.