第20回 ドイツ旅行・1
結局ドイツから帰ってきてばたばたしています。
ドイツにいるときには、
「よし、こんな感じで合理理的にやっていこう。」
と考えていたのですが、
結局1週間の付け刃、身になるはずはありません。

 

でも、とりあえずの目標はできたかな。
ああ、目標、目標…、たくさんの目標。
何とか、身を引き離すようにして出かけた旅行でした。
準備の時間は無い、お金も無い、
(こんなこと言っちゃいけないんだよね…
店だから儲かっている風を装わなきゃ)
教室その他もいろいろ迷惑をかける、やることたくさん残している。
何のために行く?
そう、行けなかったと後悔しないためだけに…
成田からロンドンの飛行機の中で、
やっと少し普段の重荷から開放され、
ロンドンからチューリッヒに向かう頃には
背中をしゃんと伸ばし始めていました
(飛行機の中には日本人はただ一人)。
今度の旅の目的の一つは、

ザーレムライアの工房の写真を撮って
それを皆さんに紹介することでした。
ザーレムライアの工房は、ドイツの南スイスとの境にある
ボーデン湖という大きな湖(琵琶湖より大きいと思う)のほとりにある
ユーバリンゲンという町から少し離れた小高い丘の町にあります。
このユーバリンゲンにはシュタイナー関係の施設がたくさんあり、
シュタイナー学校や障害者のための村、
その他さまざまなものがあります。
私が22年前、高橋弘子先生主催の
シュタイナー学校の視察に来たのもこの地域で、
いまさら、この地域との関係の深さを感じています。
ザーレムという名前の由来は
ニーダー氏が初代ゲルトナー氏の下で修行したあと、
独立して最初に工房を構えた場所がザーレムという町だったそうで、
それから場所を変えられてもこの名前を使われているそうです。
この家はニーダーさんの自宅兼ライアの工房です。
この町はとても小さな町で周りには沢山の草原があります。
このニーダーさんのお宅の後ろには広々と草原が広がっています。
建てられてどれくらいたっているかを聞き忘れましたが、
もちろん100年とは言わないでしょう。
隣の小屋の建物など、300年以上は経っているようです。
農家であったこの家を買われて、
自分自身で中を改造されているそうです。
家をいじるのが趣味の人がドイツの人には多く、
(たぶん休暇が3、4週間あるということも関係しているか、
と思いますが)
よく、自分で内装や改造をしているという話を聞きます。
しかし、このニーダーさんはさすが、ライアの職人であり、
弦楽器職人、ボート職人だけあって、内装のこり方が違う感じがあり、
なんと壁の中に細かい冷却用の管を通して
壁暖房しているというこりようです。
ニーダーさんと出会うなり、
話は子どもさん(3番目のベンジャミンという15歳ほどの男の子)
の話になりました。
彼の子どもさんが血液の癌で大変な状況にある、
という話はずっと前から聞いていて、
いつもそれとなく気にはしていました。
でも、それを自分のほうから切り出していいものか、
と遠慮していたら、
彼のほうからそのことについて詳しい話をしてこられました。
その話は、彼の言葉を借りて
「私は、子どものことで今現在行われている
シュタイナー医療と現代医療と
それからその他の東洋医療の最先端の状況を知ることができた。」
というほど、深いものでした。
不思議なことに、
今回の旅行の目的のもう一つは(後二つほどあります)
ペロルさんの癌治療について知ることでした。
このようなことをニーダーさんから聞くとは思ってもいませんでした。

2005.02.18.

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