前回は話が流れていってしまいました。
書くつもりにしていたのは違うことだったのですが。
また流れていくかもしれません。
なんてったって、雲の上のことどんな風が吹いているやら。
飛行機について前回書きました。
そして、飛行機が飛んでいる場所はとても現実的ではない、
ということを書きました(のっけから硬くなっています)。
それは、現代人の持つ知性とよく似ている、というようなことも書きました。
さて、まだまだ不思議なことが、この高い空の空間にはあります。
その一つは風が軽いということです。
ある本で、
<8000mを超えるエベレストの壁には常に風速30m以上の風が吹いていて、登山者を苦しめている。>
ということが書かれていました。
そのことを知ってから、登山者がザイルにぶら下がって、
台風の猛烈な風に吹き飛ばされそうになっている、
というイメージが私を長いこと苦しめました。よ
くそんな風で登れるな、という驚きと岩から引き剥がされて落ちそうになる姿が思い浮かんでいました。
ある時、高い山の風は抵抗がないということをラジオで知りました。
なんと、風がどんなに強くても(速くても)、空気が薄いので余り身体への抵抗がない、ということなのです。
これで風速30mでも登れる謎が解けました。
超人でなくても登れたのです。
おかげで、めでたく私の間違った、恐ろしいイメージはなくなったのです。
ただ、次は別のイメージが私を苦しめることになりました。
そのイメージとは、台風のように風が強い(速い)にもかかわらず、
その中を平然と歩けているというものです。
こちらのほうがより強烈かもしれません。
飛行機はこのような空間を飛んでいます。
シュタイナー教育では感情は空気と似ていると考えますので、
さながら感情の薄い空間にいるという感じでしょうか。考
えれば考えるほど不思議になってきます。
何の変哲もない入道雲の写真でしょうか。
夏に空を飛ぶ楽しみはこの入道雲との遭遇です。
地方雲(私の呼び方で地上1000m辺りからできてくるこんもりとした雲のこと、積雲)が
たくさん並ぶ入道雲の赤ちゃんたちの中から、
一つ、二つとにょきにょき成長してくる姿は圧巻です。
一度などは一匹のゴジラ(入道雲)がプテラノドン(小さな薄い雲)を引き連れ、
「見たな〜」って感じでこちらをギロット眺めていて、ドキッとさせられました。
で、この入道雲、よく見るといくつかに切られています。
多分、見えないけれどここに空気の層の境があるのではないかと思います。
ちょうどこの場所に不思議なことが起こってきます。
今回見つけたのは(これはすべて小松空港行きの飛行機)不思議に白く輝く雲でした。
いつも、不思議と黒く輝く雲 (私はこれを龍雲と呼んでいます)は
見たことがあったのですが、不思議と白く輝く雲は初めてでした。
それは、グレーの色調の中に美しく輝いています。
一体この白さは何処から来たのか、と思います。
そして、思い当たりました。
「これって、いつも私が眺めていた黒い雲だったんではないか。」って。
「ああ、あの場所から見て、吸い取られていた光はここに出てきていたのかもしれない。」って。
「そうだよなー、吸い取られた光はどこかに現れているはずだと思ってた、
こんなところに現れているんだ。あるところでは彩雲となって虹色の雲を作るし…」
この雲の新たな側面を知って、つくづく雲の不思議さに驚くのでした。
≪今回空気の薄い場所のことを書きすぎて、無味乾燥になってしまったかもしれません。またがんばります≫
2005.09.02.