第69回 白い妖精たちとの日向ぼっこ

春がやってきたように思います。

どこに?

もちろん私の周りに、

そして、とりあえずシュタイナーの考えを学んでいる者として、私の中に。

そして、心穏やかではなくなります、特に晴れた日などは。

「私は、家の中でこんなことしていていいのだろうか。」と自責の念に駆られます。

早く、光を受けたい、植物たちに降り注いでいる光を浴びたい、

それも誰もいない、花の咲いている場所で・・・、かなり贅沢なのでしょうか。

 

先日、子供たちの教室でモクレンの木を描きました。

子供たちに<モクレンの花がどのようにつくのか、その結果枝ぶりはどうなるのか>と話し、

幾重もの硬い殻を破り、天に向かってその花白い花を開く様を話し、

子どもたちはシュタイナー学校で使うカラーチョークを使ってグレーの紙に描きました。

子どもの一人がお家からモクレンの花を持ってきてくれたので、それも眺めました。

 

シュタイナー教育の中では子供たちに外の世界のことを学ばせるときには、

子どもたちにそのものを描いたりして表現させます。

自分の中に何らかのイメージが息づいたときに初めて外のものと出会い、

自分の周りの世界に興味を持つと考えているからです。

 

でも、実はその副作用(?)として、教える私のほうにも実はたくさんのことを与えてくれるのです。

こうも言えるかも知れません。

もし何かのことにより興味を持てるようになり、自分で新たな発見をしたければ、

そのことを人に教えることが一番なのです。

考えてみると、そのことは子どものころに聞いたことがあるように思います。

先生から「わからないお友達に教えなさい。

そうしたら自分でもよくわかるようになるから。」と言われていたように思います。

 

そのときは、より先生の仕事を軽減するためにそんなことを言っているんじゃないだろうか、

と思っていましたが、実は深い真実だったのです。

私事になりますが、らせん教室という教室の講師を十数年続けています。

シュタイナー教育のベースになっているゲーテ的認識方法による自然の理解をテーマにして、

月2回の講座を行っていますが、たぶんこの講座で一番得しているのは私かもしれません。

おかげで、自然の中のものがとても生き生きと見えてきたように思います。

この前は別の大人の教室で梅の花を描きました。

私自身、普段からかなり梅を観察しているという自信とともに、

皆さんに梅の花の説明をし、やはりチョークで描きました。

 

その後、実際に梅の花を観察しました。

そして、愕然としました。

まったく自分が思い描いていたものとちがったのです。

もちろん、その驚きを見せないように平然を装っていましたが。

それから、幾度となく梅の花を見ることがありましたが(気になっているので見ざるを得ません)、

いかに今まで自分が梅の花のことを知らなかったのか、ということを思い知らされました。

いつだってそうなんです。

思い知らされるのです、自分の程度を。

おかげでいまだに何に対しても自信が持てずじまいです。

少しは自信を持って生きて行きたいのですが。

 

 

さて、そのモクレンの花をいただいて帰りました。

手にとって香ってみると、なんともいえないい香りを感じました。

どうしてこんなに清楚な香りがするのかと驚くばかりです。

それは、花の形態と色とにオーバーラップして行き、

もはやモクレンの花にはこの香りしかないと思えるほどです。

枝の成長の突端にその成長のすべてを開くかのように、

空に向かって白い花として開かれている姿がすべて香りに包まれているようです。

(つれづれ24でも紹介しています)。

そして、ペロルに持ち帰り置いていると、部屋の暖かさでその花が大きく開き、

中のオシベまで大きく開いてまた驚かされました。

そして、子どもたちにこの香りのことを伝え忘れた。

この花のジェスチャーを伝え忘れた、と思ってしました。

 

 

そう考えるとサクラの香りはこの樹の姿を現しているのでしょうか。

モクレンの枝振りがY字を繰り返してカクカクしているのに対し、

特に若いサクラは枝をシュッシュッとまっすぐ伸ばしています。

 

 

また、つぼみが開き始めるとその先端をピンク色に変えながら

、中から5つほどの花のゲンコツを覗かせます。

そのピンク色のゲンコツが今度は暖かくなった空気の中でふわっとはじけていくのでしょう。

サクラのやわらかさが開くには、周りの暖かさがいまひとつ足りない感じなのでしょう。

もう、イメージ作りはこれくらいにして早くモクレンを堪能したいと思います。

文章書くのはこれくらいにしてモクレンと一緒にお日様の光を浴びたいよう。

 

2007.03.02.

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