先日ヴァイラー(東福)先生のライアの講座があったことは巻頭言にも書きました。
参加されている方にお聞きしたのですが、
ライアという楽器に出会ったことでさらにいろいろな方たちとの出会いがあったと言われました。
本来なら出会えないはずの人たちと、ライアが結び付けてくれたそうです。
もちろん、さまざまな体験もされたことだと思います。
ライアを演奏した途端に、それまで騒がしかった場が水を打ったように静まり、
その音に耳を傾けてくれたり、本来童謡を歌うはずのない人たちが
ライアの音にあわせて一緒になって歌ってくれたそうです。
ペロルでライアを買っていただく方たちも、いろいろな思いを持って購入していただきます。
それぞれに、ライアを自分の子どものように感じながら大切にしていただいているのを感じます。
もちろんほかの楽器に関しても同じような話を聞きますが、
ライアに関してはなぜかその結びつきが強いように感じるのは気のせいなのでしょうか。
もともとライアは療法用の楽器として生み出されたらしいのですが、
やはり人との何か深いかかわりがあるのだろうか、と思ってしまいます。
私自身も、この楽器に出会ったことで、
さまざまな人と深いかかわりが生まれたようでとてもうれしく思います。
特に、ザーレムのニーだー氏の出会いはとても大きいものでした。
単に楽器を作っている、という以上にさまざまな深いものを与えてもらえている気がします。
さて、BBSでもお問い合わせがありましたので、
今回のヴァイラーさんの講座について簡単にレポートしていきたいと思います。
私自身主催者だったのと、店の仕事もあったので、
出たり入ったりして、きちんと体験できていないのですが、わかる範囲で書いていきたいと思います。
とても温和な中にドイツ仕込みのしっかりしたした芯と豊富な実践を持たれているヴァイラーさんは
参加者の皆さんの中に言葉と気持ちがしみこんでいくようにとてもゆっくりとしたテンポで話をされます。
しかし、経験されたお話を淡々と語られる中にはとても深いものを感じます。
まず最初にいくつかの音をつかって演奏をされて、
その音がどのような印象を与えるのかを皆さんに問いかけられました。
そして、それにある音を加えることによってどのように印象が変わっていくのか、
をみんなで体験しました。
それから、最初の音の集まりが水星の音階と呼ばれているもので、
後で音を付け加えることによってペンタトニック(五度の響き)と呼ばれているものであることを話され、
特定の音を使うことで私たちの心がどのように感じるのか、を体験させていただきました。
このことを利用してたとえば人が亡くなられるときに
どのようにライア音楽で付き添うのかの話を昨年に引き続きされました。
それから、その音の連なりを使ってハミングしたり、二声に分かれてハーモニーを作ったりしました。
実際に声を出して響きを体験する中で、参加者の方々は深い体験を味わわれたようでした。
午後のライアレッスンでは、
初心者の方のレッスンをヴァイラーさんの提案で急遽1時間早めに始めることにして、
先生独特の手首を落とすやり方や、ライアの裏側からの左手を入れての音階の練習など、
初歩の練習をみっちりしました。
彼女のやり方で皆さんがライアをかき鳴らすと、
ヴァイラーさんの言葉で、「空気の音から水の音になる」力強い音がラウムに響き渡りました。
その練習から、即興で音を出す練習に移り、
経験者の方は即興で伴奏をすることを許され、それは美しい響きが生まれました。
その後、経験者の時間が設けられ、初心者は後ろで聞くことになりました。
最後に、参加者の皆さんからいろんな病気のケースを出すように言われ、
それぞれのケースについてとても深い内容のやり取りがありました。
とりあえず、ラウムでの講座はざっとこのようなものだったのですが、
あらすじを追ったのではやはりそこでの体験をお伝えできないのは残念です。
それぞれに、深い体験を持って帰られた感じがありました。
店のほうからさまざまな調弦をしたボルドゥンライアを講座会場に送りました。
これを使ってどのような体験が導き出されるか、とても興味のあるところです。
最後に植物の新芽のオイリュトミーをお届けします。
オー アー かな?
2007.04.20.