皆さん
虹を一休みして、今回はドルナッハのコースについて書きたいと思います。
今回、急遽、教室や店をおやすみさせていただいて、
スイスとドイツの国境に近いバーゼルから列車で3駅のところにあるドルナッハに勉強にやってきました。
以前福岡でも講座をやっていただいた、ヨハン・ボッケミュール氏の講座を受けるためです。
2月のドイツ行きから3ヶ月しかたっていませんが、
また皆さんには迷惑をかけてやってきたのできちんと報告をしたいと思います
(というか、ちゃんと勉強しているところを知らせておかないと。)
初日は遠足から始まりました。
この日はとってもいい天気で、あたりは若葉がまばゆく輝いています。
例によって夜中にたどり着いた宿は、ドルナッハで催しがあるときなどに集団で泊まることのできる安宿です。
幸運にも今はほとんど人がいないので、4人部屋を一人で使ってそれも35スイスフランの安さです。
その宿のすぐそばの市電の停留所が集合場所でした。
そこにはすでに人が集まっていました。
たどり着いたとたんに異文化交流が始まります。
「ここは、ボッケミュールさんの講座のグループですか?」と訊くと
、「はい。」という答えと同時に挨拶を交わすことになります。
握手をしながら自分の名前を告げます。
いったい名前を言ったものか、苗字を言ったものか悩みます。
そうしながら、入れ替わりに人が挨拶に来て、僕のほうからもすべての人に挨拶をすることになります。
みんな名前を言ってくれますが、ほとんど聞けていない状態です。
まず、出会ったのは異文化の泉でした。
ガイド役の方が、この泉はとってもおいしい泉なんだ、と教えてくれました。
でも、そこにはKein Trinkwasser!(飲み水ではありません)って書いてあるではありませんか。
なんというジョーク!!
その訳をたずねると、飲み水と認めるためには、
毎年10万円以上の検査代がかかる、だから検査をせず、飲み水とは書けないんだ、ということでした。
ボッケミュール氏があるところで私たちを待ってくれていました。
その右のほうにやはり同じような帽子をかぶっている背の高い方がマッケンジン氏です。
この方の授業(中2までのシュタイナー学校での物理の授業)を1週間ほどカッセルで受けたことがあり、
とても面白かったのを覚えています。
こんなに背の高い方だったのかといまさら驚いています。
この後、二人ののっぽさんは挨拶のときにお互いに見つめあうことになりました。
そこで誰かが、「ふたりは、よく似てるよね。」と言って、それがみんなの笑いを誘いました。
こんなときにも関係性について考えさせられます。
日本だと、こういう偉い目上の先生に対して、このような言葉遣いはしません。
もっと距離を置いた関係性を持つでしょう。
個人としての関係性の深さを感じてしまいます。
ちなみに、ここに集まって気さくに話をしている人たちは
、ヴェレダ社やほかのところで薬用植物の仕事をしている人たちをはじめとして、
経験豊富な人たちのようです。
ほとんど、ドルナッハのゲーテアヌムしか訪れたことのない私には、
その周りにこんなにも豊かな自然があるのを知ってとっても驚きました。
ボッケミュール先生の絵の多くがこの景色の中で描かれたんだということを理解しました。
森があり、野原があり、小川があり、洞窟があり、ととても変化に富んだところでした。
野原の中には花を終えたタンポポの綿毛(茎が60cmを超えた巨大なもの)が
緑の背景にまばゆく揺れていました。
誰かが言いました。
「この場所には何か聖なるものが宿っている感じがする。」と。
確かに天気とあいまって何かに祝福されている感じがあります。
ボーッとしてしまう私をよそに、
ガイドの人とボッケミュール氏は入れ替わりにそこに生息している植物たちの説明をしていきます。
薬用植物に関わっている人たちが
「えっ?根っこはいつも見ていたけれど(薬を作る材料として)実際はこんな植物なんだ。」
と驚いていました。
ちなみに、でかいカメラを首から提げて、みなが観察しているときに、
パチパチ写真を撮っていた私はなんだか浮いた存在でした。
そもそも外国人は私一人(自慢?不安?)で、さらに東洋人、ただでさえ浮いている存在です。
次の日から講座が始まりました。
場所はゲーテアヌムのすぐそばのグラスハウス
(ゲーテアヌム建設のときにステンドグラスの工房として使われた)で、
自然科学部門があるところです。
周りはすべて小さな木が張られています。
最近改装が行われたので、外部も内部もとてもきれいです。
その前に秋にやる講座のために自然科学部門の代表のヨハネス・キュールさんと待ち合わせをしました。
キュールさんは、自転車をぶっ飛ばしてやってきました。
思わずぶっ飛び、シャッターを切ってしまいました。
カルチャーショック!
2008.05.16.