106 虹色の雲の故郷

空に浮かぶ虹色の雲

誰もが、目を疑いたくなるような美しい色合い。

ワインレッド、トルコブルー、エメラルドグリーン、コハク、

言葉では言い尽くせない色合いが空のはるか高みに浮いている。

それは、空からの贈り物。

それは、お日さまの光と空気と水がそれぞれ一人一人にあげる贈り物。

だって、それぞれの水滴の粒は、

そこで見ている一人の人にしか一つの色として輝いていないから。

空にはね。時々美しい雲たちが現れるんだ。

それを見るとね。本当に心が洗われて、生きててよかったな。ってそんな感じがする。

でも、あまりに淡いから、見つけるのはとっても大変。

でもね、普段から、そういう淡い色合いに意識を向けて、それが本当の色なのか、

目の錯覚や残像で起きるのか、なんて意識していると、

不思議なことにその色合いがよく見えるようになるんだ。

そして時間があったら、空を眺めること。

そうして、いつも心掛けていたら、時々ご褒美のように空に現れる。

ボクらだってあるよね。

毎日生きていて、日々のことに心を奪われて暮らしている中で、

ある時ふと何かとっても大切なものが心の奥から浮かび上がってくることが。

だから、高い空を眺めるように、自分の心の中も深いところを眺めていると、

きっとそういう瞬間が現れるはず。

自分の心の中のお日さまと空気と水が作り出す美しい彩雲に。

普段は見ることはできないけれど、あきらめずに空を眺めながら日々を送っていると、

時々、ご褒美のように現れて、世界の美しさを示してくれる。

彩雲の故郷

いったい、どこでそんな美しい光景が生まれているのだろう。

その高みを、飛行機で飛ぶことがある。

そこに広がるのは白と青だけの世界。

とても単純な色合いだけど、本当に微妙なニュアンスをもったさまざまな青がそこに存在している。

そして、本当にその青の美しさが心に染み込んでくることがある。

いったいどこから、この色合いは生まれてくるのだろう。と不思議に思うほどだ。

お日さまと空と水と、そうもう一つ空の背後の暗闇が作り出す青い世界。

その世界の中に、何かの秘密が隠されているような気がする。

そして、見つけた。そこに浮かぶ淡い羽衣のような彩雲の雲。

青い空間にとり包まれながら、静かにたなびいている。

 

2008.09.19.

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