月山研修では思いのほか多くの反応をいただきありがとうございます。
富士山の自然観察の合宿中に、参加者の皆さんに、
パソコンで月山の写真のスライドショーをしました。
その時に、音楽を流しながら、夕暮れの写真、朝焼けの写真を流していく中で
それが新たな体験となり、自分の体験が輝きをもった新たなものに変わった感じがしました。
自分自身がその場で、汗を流しながら、考えながら、迷いながら、疲れながら、
一生懸命にやってきたことは、その時には余裕がなく、それほどとは感じないけれど、
あとで振り返る中で、それが印象に代わって行く、という体験をしました。
そういえば、ただただ駆け抜けた夏でした。
そんな中で、いくつか紹介したいと思います。
朝日を浴びながら、まだ眠りの中にいるかのような葉っぱたちです。
自分自身を取り包むようにハートの形を作っています。
これから伸びをして、自分自身を世界に向かって広げていこうとするさまが見えるようです。
これは、月山の頂上付近で撮りました。
いつしか、葉が開いていました。
ウドの仲間の花たちです。
一つ、また一つと袋を破りながら芽と枝がのびていきます。
この袋は葉を支える葉柄の部分が包み込む形に変わったものです。
一つの節ごとに、一つの袋を開きながら成長していき、
最後に大輪の花火のような花を開かせますが、
よく見てみるとそれも一つ一つ節を経て大輪に行き着きます。
まるで、音が聞こえてきそうです。
<メキ、メキ、メキ、バリ、バリ、バリ、パーン>
これは、月山の8合目にある神社と宿坊がある場所の近くでした。
そこは、湿地のお花畑の中に島のように存在していました。
そこの神社にはたくさんの風車がかざっってあったのですが、
その中に、大きなウサギの石像がありました。
隣でおばさん達が、「やっぱり月山だからウサギだよね。」と話されていて、
「どうして月山はウサギなんですか?」と聞くと、
「ほら、お月さまで餅をついているじゃないですか。」と言われ、
なるほど、忘れていた、うかつだった、と考えていると、
そのウサギの石像のそばに石の卵が置かれているのに気がつきました。
えっ!? 月山のウサギは卵を運ぶ??
これって、イースターバニーじゃん!
と驚き、そばの社務所の人に聞くと、
「ああ、あれですか、あれは登山者のだれかが置いて行ったんですよ。」と言われました。
なんと、人騒がせな。
…でも、なぜ置いていったんだろう?
やけにしっくりいっていたなぁ…
富士山の樹海の中にある風穴の入り口に出た、すごく薄い霧の層です。
写真ではあまりよく見えないのですが、呼吸するかのように、
ゆっくりと上にあがったり、下がったりを繰り返していました。
その時の白い層の動きは何ともいえず優雅でした。
風穴の中は氷の世界でとても冷たい空気がその周りを取り包んでいます。
その冷たくて下にたまる空気と暖かい外の空気と触れあうところに白い霧の(雲の)層が生まれます。
おもしろかったのは、その層が体の上にあがると、
突然涼しくなり、下がっていくと急に蒸し暑くなったことです。
富士山の自然観察会を主宰していただいた慧光寺(えこうじ)の住職の山下さんはこのことを、
風穴の竜神さまと呼ばれていました。
確かにそんな気がしてくる光景でした。
富士山の樹海の中で針葉樹林帯からブナの広葉樹林帯に入っていくと、とても印象深い感じがします。
黒々として鬱蒼とし、すべてが静止しているような松林を抜けて、
ブナ林に入ると、明るくて、光が流れ、すべてが動きを持ち始めるような自由さを感じます。
足もともとても柔らかです。
このように違う気持ちになるのがとても不思議です。
2009.09.04.