134 しみじみとした感じ

この季節は意識がボーッとしてきます。

いつもボーッとしているといえばいえるのですが…

何か、ずっと昔のことを思い出すような、そんな感じです。光

の中に懐かしさが含まれているような気がします。

太陽は激しさと輝きをなくしながら、

しかし、温かさと優しさと深さと身近さが増しているように感じます。

 

どんよりとした重い雲が覆いかぶさって、周りの風景と私の心は鉛色に包まれています。

雲はところどころ隙間を空けて、そこから別の世界のような、

もう一つの雲の世界を見せています。

私が覆われている雲の世界とはまた違う世界が見えています。

その世界は眺めている間から、すぐに形を変えたり、なくなっていきます。

そんな雲の下には、天使の梯子が現れます。

雲の隙間からお日様の光が射してくる現象です。

お日様が射してくることで、世界はとたんに興味深くなります。

そして、遠くの山肌がその光で照らされて、暗がりの中で明るく輝いています。

その場所からは空の隙間から太陽が垣間見えていることでしょう。

 

最近、自分の見えているものと光のことを考えています。

あるときに、自分から見えているものとは、

自分から発している光のようなものなのだということに気がついたのです。

ちょうどウルトラマンのように目から光線が出て世界を照らし出す感じです

(透視光線ではありません)。

そして、照らされているところだけが自分に見えているものだということです。

それは、鏡に反射したものも一緒だということにも気がつきました。

というか、このことが最初の気づきだったのですが…

それから、時々太陽の光があたっている様を眺めていると、

「これが太陽から見えているものなのだな。」

「そして、それはほんの一部なのだ。」

と考えていくとその大きさに、その距離に意識がボーッとなっていきそうです。

そして、なぜだかわからないのですが、

光を受けているものが、何かを返しているような気がしてきます。

このことは、まだボーッとして分かりませんが、ずっと考えていきたいと思います。

不思議な光の当たり方です。

別の光が射してきているような何か高貴なものを感じます。

直射日光は射してはいません。

この写真では、上一面を覆っているどんよりとした暗い雲と、

ほんの少しの隙間から青空が見えています。

わからないことがたくさんあります。

タイムトンネルを発見しました。

こんなすごいアトラクションが、町の中に転がっていました。

空き地に突然開いた別の世界への入り口のようです。

たまらなくなって、中に入ってみました。

外通りの喧騒とは打って変わった、別次元の世界がそこに広がっていました。

 

2009.11.13.

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