138 星の話・1

「星ってつまらないよね。」

「だって、何が面白いの?」

「地球があって、太陽があって、水星があって、金星があって、

それがどう動くとか、頭こんがらがってきて、訳が分んなくなる。」

「いったい、こんなこと勉強して何になるの?って感じ。」

「でも、テストの点数取りたいから頑張らなくっちゃ…」

「 えーっと わかんなーい!」

「星ってつまらないか…」

「そうね、それじゃ、星の話を始めてみよう…」

星って不思議なもの、

だって、いつもついてきてくれている。

お日様が射している昼間も、曇りの日も、もちろん夜も、

雨が降ってたって、いつも私を取り巻いてくれている。

どこに行っても、見えていなくても、

いつも取り巻いていてくれる。

私が忘れていても、星は忘れずについてきてくれている。

寝ていても…

 

不思議なことがあるんだけど、夜、星が出てるときに歩くだろう。

するとね、星たちはついてきてくれるんだ。

どこに行こうと、自分についてきてくれる。

他の人が歩いたって関係ない。

自分についてきてくれるんだ。

それって、それぞれの人にそれぞれの星空があるってことで、

その星空は、それぞれの人についてきてくれているってことなんだよ。

いろんなものが通り過ぎても、

その星空は自分を包んでくれている。

見えていてもいなくても。

私が歩けばついてくる。

星、太陽、月、神様、私の影、虹。

「いちばん身近な星たちのことを少しは知りたいと思わない?」

「だって、いつもそばにいてくれているんだよ。」

「それじゃ、少し星たちのことを紹介するね。」

いつも私についてきてくれる、いちばん身近な星たちって、

有るようでないようなものでもあるの。

なぜって、あの星たちは姿を持たないの。

あるのは、光だけなんだよ。

それって不思議じゃない?

空にある星の大きさって、

ただの明るさの違いでしかないんだよ。

どんなに、大きく見える望遠鏡を使って大きくしても、

やっぱりただの点でしかない。

それって、幻??

いいや、私たちが自分の一生を何倍かけても、

たどりつかない遠くにあるから。

でも、大丈夫、遠くにあればある程、自分のそばにやってくるから。

 

そんな光の点たちは、ゆっくりと私たちの周りを回っている。

それも、一つの星を中心に回っているんだ。

それぞれの星たちは規則正しく、

昼も夜も、その星を中心に私たちの周りを回ってくれている。

その回り方って、とっても不思議。

だって、じっと眺めていても動いているのはわからないのに、

しばらく目を離すと、動いているんだよ。

遊びであるよね。

木の幹に寄り掛かり、

目をつぶって数を数えて振り向くと、

みんな止まっているんだけど、

前の場所と違う場所に動いているってやつ。

「えっ?」

「地球が回っているんだよ。そんなことも知らないの?」

 

2010.01.22.

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