146 星の話・8

星座と知り合いになるってとっても不思議な感じ。

初めは空に沢山星たちがあって、

それぞればらばらで何が何だか分からない。

それで、まず星座を知りたいと思うじゃない。

夜空に、お友達が沢山いるっていい感じかなって思うし。

「えっ?暗い?」

「暗いの好きだからね。」

雨や曇りでさえなかったら、そこにいてくれる。

 

もちろん季節と時間で場所が変わってくるから会える時と会えない時があるけれど、

たとえば、サクラの花が咲き始め、

イースターを待ち望んでるころの夜空にふたご座が昇ってくる感じとか、

蝉の声が終わり少し涼しい風が吹き始める夏の夕暮れの空に掛る天の川と白鳥座、

それに山の上から姿を現しているさそり座とか、

それぞれの季節のある時間になったら会えるものがある。

最近、旧歴のお正月の3日目に出る船のようなお月さんもその仲間に加わってくれたけどね。

あの上に七福神が乗っているかも、って想像すると楽しくなってくる。

でも、星空をどんなに眺め続けても、いつまでもばらばらのままなんだ。

そこで、星座の本を眺めるじゃない。

そして、自分の頭の中に星座の形を入れるよね。

そうして、その星座があるあたりを一生懸命に眺めていく。

するとさ、それまでバラバラだった星たちがまとまり始めるんだ。

この星はこっちの仲間で、この星はあっちの仲間かなって。

そうして、頭の中にあった星座のイメージが実際の星空の星たちに結び付いていく。

そして、バラバラで何にも見えなかった星空から星座が生まれ、

そこに息づき始め、まるでそこから自分を見守ってくれているように感じる。

「ありがとう。探し出してくれて。

これからボクは君のお友達になれるよ。」って言っているみたい。

お友達がたくさんいるといいな、って思うことがあるよね。

でも、お友達を作るためには、

自分でもお友達のことを思っていないと出来ない、そんな感じかな。

それって、外国の言葉を覚えるときにも似ている。

それまで、ただプラプラプラやルラルラルラの音にしか聞こえない言葉が

だんだん言葉として聞こえ始め、何を話しているかわかるようになってきて、

ああ、こんなことを話してたんだ、って驚いてしまう感じ。

夜の星座たちとお友達になるとね、

お日さまが輝く星がない昼の世界でも星たちがどこにあるか感じることが出来る。

それはね、お日さまが輝いているじゃない。

そのお日様は、実は黄道上の12の星座を一年かけて旅しているんだ。

だから、たとえばふたご座生まれの人は、

ちょうど、自分の誕生月のころに太陽がふたご座にやってきている。

太陽があまりにも光が強いから、とたんにその世界は昼の世界に変わってしまう。

だから、そのころ太陽を眺めていると、ふたご座を眺めていることと同じこととなる。

ふたご座はこんな場所から上がってくるんだな。

こんなところから地上を眺めているんだな。

ふたご座が輝いたらこんな風に影が出来て、

こんな感じで地面が温められ、

こんな感じの雲が出来、空の色や大地の色はこんな風になるんだ、ってわかる感じ。

だから、そのころは太陽と一緒にふたご座を感じることが出来るわけ。

そしたら、その周りの星座も感じることが出来ると思うよ。

「どうしてそんなに星座のことばかり考えていたいんだろうね。」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です