147 星の話・9

「星たちって生きてるの?」

私たちは生きているよね。

自分の周りには家族や友達がいて、

犬や猫がいて、鳥や虫たちがいて、草や木が育っている。

周りのみんなも生きている。

生きているってどういうことだろう?

そう、自分が生きているって感じは胸を高鳴らせたり、

大きく息を吸い込んだり、ハーッて息を吐いたりする時かも知れない。

よく眠れて目覚めのいい朝は、大きく息を吸い込んで、

周りの世界を見渡しながら、さあ今日一日頑張るぞ!って思うし。

一日をしっかり終えた夕方は、「疲れた。でも終わった。」って、

息を吐きながらのんびりとした気持ちになるよね。

自分が生きているって感じがするときは、

周りの生き物たちも生き生きとしている感じがする。

 

同じように、星たちの中のいくつかの星は呼吸をしている。

前もお話ししたように、惑星たちは他の星たちと違って、

自分自身のリズムを持って動いている。

もちろんとってもゆっくりとしたペースなのでわかりにくいんだけど、

木星や土星は一年かけて呼吸しているし火星は2年かけて呼吸している。

その呼吸のやり方ってこんな感じ。

ちょうど、水泳の平泳ぎの感覚かな。

手を伸ばして、水の中にもぐり込みながら、

息を吐きながら先に進み、手を掻いて広げながら顔を水面から上げて息を吸い込む。

全く同じようなことを惑星たちはしている。

一年の大半は、十二の星座の中を左回りに暗くなりながら進んでいる。

それが、ある時期に来ると前に進むのをやめて、

今度は星座の中を後ずさりしながら明るく輝く。

ちょうど手を掻きながら水面から顔をあげて、息を吸い込む感じに似ている。

何も考えずに、がむしゃらに進んでいるときに、

立ち止まって息を大きく吸い込みながら、

「ああ、今こんなところなんだ。」って我に返って周りを見渡しているように。

そうやって、惑星が息を吸い込みながら輝いている季節には、

満月のお月さまもお祝いに駆けつけてくれて、その傍で一緒に輝く。

満月のお月さまが出でいる夜って、なんだか不思議な眩しさで、

夜の精霊たちがみんな目覚めていそうな感じがするよね。

火星は赤く輝く星で、いちばん大きく息を吸い込んだり吐いたりするんだ。

多分胸が大きくて、沢山光の息を詰め込むことが出来るんだと思う。

自分を取り巻いているものが、そんな感じで息をして生きているって思うと嬉しくならない?

空を眺めながら、そんなことを思ってニンマリしてしまうかもね。

「息を吸いながら、明るく輝くって、ひょっとして、光を吸い込んでいるってこと?」

そうだね。そんな感じがするよね。

「神様ってどんな呼吸しているんだろうね?」

わからないことが沢山だね。

ゆっくりと考えていきたいな。

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