お月さまとお日様どっちが大きいと思う?
「そりゃ、もちろんお日様にきまってるじゃない。」
「どうして、そんなこと聞くの?」
そうだね、でもさ、どうして、お日さまが大きいの?
「だって、同じ大きさに見えるけど、
お日さまはほんとうは月なんかと比べてずっとずっと大きくて、
でも、ずっと遠くにあるから、お月さまとおんなじに見えるんじゃない。」
「誰だって知ってることだよ。」
そっか…、 でも、どうしてそんなことが分るの?
「えっつ…?」
「誰だって言ってるじゃない。テレビでも言ってたように思うし。」
「それに、宇宙に出た人たちは、実際に見たんじゃない?」
そうだよね。
でもさ、地球に生まれて、地球で生きていて、宇宙に出ることのないボクたちは、
お日さまとお月さまが一緒の大きさで何の違いもないんじゃない?
それに、宇宙に出て、月に向かった人たちは、
お日さまが大きいなんて一度も体験しないんじゃないかな?
逆に月がお日様よりどんどん大きくなっていったんじゃないかな。
後ろを振り返ると、地球がどんどん小さくなっていって、
でも、月に着いた時にもまだお日さまよりも4倍の直径の地球が空に浮かんでいる。
月のウサギたちは一度だって考えたことがあるだろうか?
お日さまが地球より大きいって…
だってね、地球から見て満月の真ん中あたりのウサギの
餅つきの臼あたりに住んでいるウサギにとっては(変なの)、
お地球さまはいつも空の真上にあってお日さまの4倍の大きさで輝き、
お日さまはじっとしないでいろんなところを動いているんだよ。
ねえ、お地球さまよりお日さまがずっとずっとおおきいんだよ、って言ったら、
「何言ってんの?」「ばっかじゃないピョン?」
っていわれるかも。
そんな中で、
いつでもどこでも(太陽系の中でのはなしだけど)大きさが変わらないのは星たちだけ、
星たちはとっても不思議なもの。
外国に行った時にふと思ったんだ。
遠いところに来てしまった。
人間の友達いないし、何も見慣れたものはないな、って。
もちろん、お日さまやお月さまがあることはわかっていたけどね。
そして、見知らぬ窓から夜空を眺めたんだ。
見える町並みや木々は違っていたけどね、
そこから笑いかけてくれる星たちは一緒だったんだ。
あっ!と思ったね。
こんなことに気が付いていなかったんだ、って。
星のことは、かなり分かっていたつもりになっていたのにね、
まったく違った状況に遭遇すると、まったく分からないものなんだな、って。
それで、それまでに星座たちと知り合いになってて良かったな、って思ったんだ。
「……」
「パパって、寂しくなることあるんだ…」
……
ないよ…