172 光と色の話・4
空気の濁りってとっても不思議!
だって自分では色を持たないのに
闇を透かすと青くなり、
光を透かすと赤くなる。
そりゃ、おいしかろう
そりゃ、美味だろう。
仙人さんと一緒になって
食べてみたいや
霞の朝ごはん。
青く色づいた空気はどんな味だろう?
青くクールなブルーハワイ?
赤い空気はどんな味だろう?
あまーい甘—いストロベリー
なんだか綿あめのように
口に入れるとスーッと消えうせる。
**
「お腹すいてんの?」
「それとも仙人になりたいの?」
「それにさー、あれは空気が色づいているわけじゃなくて、後ろの真っ黒な闇が青く見えるんじゃないの?」
「それに太陽が赤くなってるんじゃないの?」
「闇の前の青紫の空気をすくって持ちあげた途端に、光を透かしてオレンジの味に変わったりしてああ残念、なんてね。」
人の楽しみ邪魔する?
* *
いいのさ、いいいんだ
だってこの世は出会いの場
二つの物が出会って
初めて生まれてくるんだよ。
色だって、音だって、言葉だって、
音楽だって、人だって、会話だって、感情だって
二つの物が一つになっていて、
どちらがどちらとは言えないほど
混然一体となっている。
人の顔が赤くなって怒ったり
青くなって怒ったり
怒らせるものが周りからやってきているから怒るのか
それとも、自分の中にそれに対して反応する感情があるから怒るのか
そこに穴があったから落ちるのか
そこを歩いた自分がいるから落ちるのか
怒る行為は分けられない!
落ちる行為は分けられない!
おこったり、おっこったり
この世は出会いの場
身の回りのすべては出会いの場
「訳わかんない…」
「出会ってなくて一人で呟いているだけじゃない?」