先日らせん教室で、なぜ水面に映った虹がずれるのか、

についてお話ししました。

そもそも、事の起こりはある方のフェイスブックの写真でした。

それは虹の写真で、ダブルの虹が水田の水に映っている写真でした。

ところが水面に映っている虹は、実際の虹に対してずれていたのです。

 

初めて、水面に映る虹がズレているのに気が付いた私は、

なぜそのような現象が起きるのかが分からず、

実際にその場所に行ってみました。

 

そこは八ヶ岳のふもとで、行ったときにはすでに水はなくなっていて、

稲が稔っていました。

ゆるい勾配があり、大きな水田が段々になっていました。

その田んぼを高い方から眺めている状態でしたので、

虹が映っている田んぼの先の田んぼは

水面が1mほどずつ下がっている感じでした。 

 

私は、この虹のずれに対して、

とても複雑なものを感じていました。

というのも、虹は単に水滴に色がついているのではなく、

水滴の中を通して見えてくる太陽が色づいているからです。

そのことを通して起きてくる現象として、

水滴の場所はある場所に特定できるけれども、

色づいている虹自体の場所は、

永遠のかなたに存在していることになります。

だから、単純に水の上にあるものを

そのまま移せばいいことにはならないのです。

 

物質の水滴はそのまま映すことができますが、

虹の色付きはそのまま映せないのです。

水面からアーチが立ち上がっているとすると、

反射像はアーチの根元から

水面と線対称形にアーチが映ります。

その時に、水面から下に水面の上と同じ世界が

さかさまに立体的に存在している、

と考えるとわかりやすいです。

 

虹のアーチが手前の水面より先にあるとしましょう。

すると、手前の水面に映る像は、

手前の水面を延長した場所から対象に逆さまに映ります。

でも、手前の水面の端っこで反射したアーチは

延長線上の手前で終わりになり、

その代わりに実際の虹が手前の水面の延長線上より下まで見えて

いるため、手前の水面の端っこの場所でずれが生じます。

 

では、実際の虹の場合はどうでしょう。

実際に水滴が存在している場所は手前の水面より先の場所です。

虹が出る場所は、お日さまが背後から自分に当たり、

自分の頭の影が出るであろう場所を中心に約40度辺りに出ます。

それでは、映った虹はどこに出るでしょう。

 

今度は自分が実際に立っていることを

水の中に逆さまに立っていて

水面を水の中から覗いていると想像すると、

水面のできた頭の影の場所を中心に虹ができています。

その場所は、手前の水面を永遠に延長した水面、

つまり水平線を対象軸とした場所になります。

 

それが、居ながらにして実際の水面上から体験できるということです。

つまり、鏡を使えば、もしくは水面を使えば、水面に映った像を使えば、

それをのぞき込むことで、

水の中に存在している世界を体験できる、

ということです。

 

自分で、書いていきながら、何が何だか分からなくなりました。

 

2020/02/07 井手芳弘 

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