186 光と色の話・16
「雪積もらないね…」

積もったら大変じゃない?

車は走れなくなるし、寒いし…

「ソリ遊びできるし、雪だるま作れるし…、かまくら作ってみたいなー」

「中で、お餅やいて、ぜんざい食べて…」

「真っ白でロマンチックだし!」

確かにね—、きれいだよねー

「あれ?素直じゃん?」

赤紫ピンク色で!

そう、あれは北海道にいた頃のこと、

寒波の訪れとともに白鳥の鳴き声がしなくなり、近くのとうふつ湖がすべて凍りつき、その上に雪が積もり、そこには果てしない大平原が生まれる。そのはるかかなたには雪が降り積もった知床半島の山々が聳えている。

その夕暮れの美しいこと。

沈みかけた赤々とした太陽の光が白い雪原に当たり、美しいピンク色に輝く。

お日さまが当たっていないところは空の青い色を反映して青紫に、静かに輝く。

そして、遥かかなたでは知床の山肌が、雪の光の面のピンク色と影の面の青紫を混ぜ合わせた赤紫ピンク色で輝いている。その色合いと言ったら、気持ちがフッと溶け込んでいってしまいそうな色合いをしている。

おまけに、葉をおとした白樺の細い枝と言ったら、これも気持ちを溶かしていくような筆舌に尽くしがたい紫色で暮れゆく闇に誘っている。

「…溶けてる、溶けてる、目が溶けてる。」

「雪好きなんじゃん。」

どうして、こうも美しいのかなって思うよ。

だって、雪って白いはずじゃない?

それだったら、白黒のモノトーンになりそうなはずじゃない?

それが、雪のない、色とりどりの風景よりも美しいと思える色合いが生まれてくる。

不思議だなって思うよ。

あの山の色合いも白、雪原の色合いも白、雪に覆われたものはすべて白のはずなのに、どこにも色づいたものはないのに、こうも美しく色づくのは。

「また、難しいこと考え始めた。それって、単に雪だからじゃない?」

そうか、雪だからだ!

「???」

これが雪の色合いだって感じていることで、本来白い色合いに光が差し込んできている、って心のどこかで感じているんだ!

それは、自分の心にある感情が浮かんだ時に、その感情は、他からからやってきたものが私の白い心に写し込まれたものだってどこかで感じるのと似ているのかも。

雪は白

世界を美しく写し込む。

私の心は白

世界を美しく写し込む。

「白樺の枝先の色合いはどうなったの?」

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