190 光と色の話・20
不思議だね〜

「なにが?」

花が咲くことがさ。

「当たり前のことじゃない。」

花があるって不思議じゃない?

「そんなこと言ったら何でも不思議じゃない?」

「空だって、お日さまだって、動物たちだって、私たちだって。」

確かにそうだけど、とりあえず、今花があることが不思議だと思う。

硬い岩のような黒々とした木の幹から

どうしてあのような鮮やかな色合いの薄いはかないものが生まれてくるのかと。

どう考えても不思議な気がする。

木は、ずっとそこに残っていくじゃない?

それなのに、花はほんの一瞬世界に姿を現す。

自分の色合いの花びらを覆いのようにして、ガクの襟でおめかしし、中心から自分の気持ちをおしべに込めてお日さまに挨拶する。

その中には、ひそかにお日さまからのお返しを受けるめしべがあって…

でもすべてはなかったかのよう。

形も、色合いも、香りも、虫たちも

夢の世界の出来事だったかのように

消えてなくなって、

後には、硬い枝だけが残っていく。

花があるって不思議だ

「そういうもんじゃない、世界って。」

そうか、世界ってそんなもんなんだ!

「???」

春の風

春は心の中、

遠い昔からやってきて、これからの未来へとつながる風に乗って

私は、乗れるのだろうか、この風に

軽くしよう

心を、

いろんなものを脱ぎ捨てて。

一緒に自由にとび回れるように

透かせていこう

心を

自分の中を朗らかにして。

お日さまの光がその中でたくさん輝くように。

風に乗れることを考えたら、

自分の持っているものなんてどうでもいいこと。

透明な風に寄り添えるように。

春は心の中、

遠い昔からやってきて、これからの未来へとつながる風に乗って

心を風に乗せ

足取りは大地をつかみ

遥かかなたの星を見つめて。

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