…
「ずいぶん、ひさしぶりのような。」
だね〜
旅行記、終わったと思ったら、また出かける。
「…」
大丈夫、今回は問題を起こさないから…
この前、教室で三角の窓から光が射してくる実験をやったんだ。
ちょうどテニスコートのようなところを想像してもらったらいいかも。
ネットのところがコンクリートの壁になっていてそこに地面のところから腰ぐらいの高さまで三角形の穴があいている感じ。壁の高さはバレーのネットの高さぐらいまで続いている。もちろんミニチュアだけど。
そこで、コートの前衛辺りからコンクリートの三角形の穴を通してボールの代わりに光を投げかけるわけ。
そうすると、反対側のコートに影の代わりに光の三角形が映る。
光の高さをだんだん低くすると三角形の頂点がどんどん先に行って、コートを出て、運動場を出て、町や田んぼや平野を越え、野を越え、丘を越えていく。
そして、三角形の頂点と同じ高さになると、光の三角形の頂点は永遠の高さに到達する。
コートの横に立っている観客たちにとってはネットの穴の三角形の底辺のところから光のじゅうたんがずっと同じ幅で続いているのが見える。
「それって、三角形?」
そう三角形
「平行な三角形ってあり?」
あり…
頂点が永遠の彼方にある三角形!
「ありえない!」
「永遠の彼方って、大人が話をごまかすやり方じゃない」
「そんなもん、見えなきゃ仕方がない。」
見えるよ。
光が進んだ先を眺めてごらん。だんだん狭くなって、先で一つに見える。斜めの三角形。
「えーっ?それって、そう見えるだけじゃない?」
光を投げかけているところから眺めてみるとほら、三角形の穴と光のじゅうたんがきちんと重なっている。頂点のところにはちょうど地平線がやってくる。
光のじゅうたんはやっぱり永遠の彼方に届いても三角形。
そして、光は三角形(平行)の光の絨毯の外を見ることが出来ない。
光は、自分で作る影を見ることはできない…
「やっぱり、久々けむに巻いてきたね。」
「光源が三角形の頂点の高さより低くなったらどうなるの?」
…
難しい…