この季節にいろいろ考えるのは。
歩いていくことそして確かめること。
一本の真っ直ぐとした道を進んで行こう。
今まで、何を話してきたか、分らなくなってきたけれど。
そうさ、過ぎたものはだんだん小さくなっていくそして一点に吸い込まれていく。
過ぎ去ったものは忘却の彼方に向かう。すべてのことや物は過去という点に向かって小さくなっていく。遥かかなた、小さな点になって、限りなく小さな点となって…
「消えてしまった?」
いや、見えないけど、存在の痕跡だけは…
「忘れてしまったように見えるけどな〜」
しかし、進んでいく先には、一つの点からどんどん生みだされてくる。そして、私の方に向かってくる。
「失われた分、生まれてくるってわけ?」
そうそう。
そこで止まっちゃうと、失われない代わり、新たに生まれてくることもない。
「なんか、どこかで聞いたような話。」
一本の真っ直ぐな道を進むと前と後ろに二つの点が出来るってわけ。
で、ここからが分らなくなるんだけど、
三角形の頂点が地平線を追い越してそびえた場合は、この点が地平線上、つまり大地の永遠の離れたところにあるんじゃなくて、空に上がったってことなわけ。
そうすると、地上では一点を結ばなくなる。
ということは、道が広がっていくんだ。
遠くになればなるほど、道幅が広がっていく道。
進んでいけばいくほど道が広がっていく。
でも空では一つに結ばれている。
後ろを見れば、遥かかなたの地平線上ではなく、手前のどこかの場所に集まっている。
そして、集まった後、遥かかなたで広がっている。
「なんだか、煙に巻く話の元祖みたいな…」
まあ、そうだね。空に向かう透明な道がある感じかもね。
その道を歩いていけば、どんどん高くなっていって、下の景色がどんどん小さくなっていく。まるで自分自身がとてつもなく大きくなっていくような。
それに対して、後ろに歩くと、どんどん地面が近くなって最後はアリさんになって地面とガツンとぶつかって、気が付くと地面の中。今度は上の地面が遠ざかっていって、頭の上で、どんどん大きくなる。
「地面まで透明にしたの?」
いいや、薄い紙にしてみた。
裏の世界を見る感じ…
「ああ、頭が… 」
「でも、こんなあり得ないこと考えてどうするの。」
あるある。
レンズや曲面の鏡の世界ってこんな感じ、かも?