久しぶりのような気がする。
「前もそんなこと言わなかった?」
夏も終わってしまった…
矢のように過ぎていった…
なにもしていないような気さえする…
どんな所へ行っても、
いろんな知識を得ても、
なんだか、一緒のような…
知識を増やしたって、いったい何になるというのだろう。
たくさんのことを知っていることが、いったいなんの役に立つのか…
「なんだか、夏の疲れが出てる感じだね。」
とか言って、自分が何にも知らないことに気が付くんだ…
「それは、いいことかもね。」
でね、この前、虹のこと考えたんだ…
「えっ!?」「また虹?」
「また虹のこと考えてんの?」
いいじゃない… 同じこと考えても。
同じこと、考えるってあるじゃない?
例えば、生きているってどういうことだろう、とか?
いつも、この問いに戻っていくし。
虹ってさ、空に浮いている
真ん丸な水晶球のような水滴に
お日さまが映り込んでできているんだよね。
だからお日さまが映り込まないとできないわけさ。
で、お日さまが映るってことは、
お日さまとその周りの空の明るさが
極端に違う必要があるってことなんだ。
それは、闇に包まれた光のような。
お日さまとその周りの空は、
光と闇の関係でまったくかけ離れた存在なわけ。
水滴はさ、その二つの存在をつないで
その二つの狭間に色の世界を生み出しているんだ。
ゲーテという人が言っていたのを思い出す。
色は光と闇の狭間に生まれるって。
虹は、光と闇のかけ橋。
二つをつなぐことで美しい色合いを生み出す。
闇が欠けては生まれない。
もちろん光が欠けても生まれない。
水滴が欠けては生まれない。
オッと、忘れてはいけない。
それを眺める私が欠けては生まれない。
虹はいろんなものをつないでいる証。
世界と私をつないでいる証。
太陽の光と私の光をつなぐ証。
すいてきはすいてきだ。
「???」
水滴は素敵だ。
「ダジャレ?」
なんだか、虹のことを考えていると、
自分の中が生き生きとしていくような気がする。
生き生きして、広がって、ボーッとする。
白い光にボーッとする。
「やっぱり、ボーッとしていっているじゃん。」